エア・カナダ、日本に投資継続、座席9%増-キューバ強化も
このほど来日した、エア・カナダ(AC)グローバルセールス担当副社長のダンカン・ビューロー氏は業界誌の取材に応え、新機材の導入など、日本市場への投資を継続していく方針を示した。同氏は「日本は我々にとって重要な市場であり、好調に推移している」と強調。新路線の開設は現時点では検討していないが、機材の大型化などで座席数を増やす方針で、16年は前年比9%増、夏ダイヤについては15年夏ダイヤ比で10%増加するという。
ACでは、14年から日本路線にボーイングB787型機を順次導入しており、16年夏ダイヤでは成田/バンクーバー、トロント線、羽田/トロント線で使用。5月2日からは成田/カルガリー線にボーイングB787-8型機を導入する。そのほかビューロー氏はACの日本/カナダ間の全路線でプレミアムエコノミークラスを利用することが可能になった旨を説明。「プレミアムエコノミーの人気はどんどん高まってきており、ロードファクターもとても良い」と語り、今後も販売に力を入れていく姿勢を示した。なお、羽田/トロント線は6月2日から10月29日まではB777-300ER型機で運航する。
5月15日から夏の季節運航便として運航を再開するエア・カナダ・ルージュの関空/バンクーバー線については、引き続きB767-300ER型機で運航。ビューロー氏は昨年夏は「成功裏に終わった」とコメントし、冬期の運航については「夏の状況を見ながら検証していきたい」とした。
同氏は「ACはカナダだけではなく『北米の航空会社』とも位置づけている」と語り、カナダから米国の60都市に乗り入れ、米国へのアクセス利便性が高い点をアピール。日本からカナダ経由で米国に入国する場合、トロントなどでは米国への入国前に入国審査を受けることができるため、米国到着後の手続きがスムーズである点をメリットとして挙げた。2月に開催された日米航空当局間の協議の結果を受け、冬ダイヤから羽田/米国線の運航が始まる点については「米国航空会社と比べてもプロダクトには自信がある」とコメント。「日本からの直行便が就航していない米国の都市は多くあり、羽田/トロント線を引き続き利用してもらえるのでは」と話した。
さらに、ビューロー氏はカナダ経由による中南米への渡航の利便性についてもアピール。トロント/ハバナ線の座席供給量を増やしている旨を説明し「もっと日本人にキューバを楽しんでもらいたい」と語った。冬ダイヤではモントリオール/バラデロ線を夏ダイヤの週4便から週6便に増便する予定だ。なお、同氏は10月から導入予定の電子渡航認証「eTA」について触れ、「少しでも簡単なプロセスになるよう、ACとして政府などに働きかけている」と語った。
そのほかにはACの今後の目標について説明。15年は売上高が140億カナダドル、乗客数が4000万人、就航都市数が200都市だったが、20年までに売上高200億カナダドル、乗客数5000万人、250都市への就航をめざす「野心的なプラン」を掲げており、B787型機やB737MAXなどの新機材を積極的に導入していく旨を語った。