週間ランキング、1位はジェットスター、民泊関連も

[総評] 今週の1位は、ジェットスター・ジャパン(GK)が成田/マニラ線を開設した記事でした。日系LCCでは初めての東南アジア線ということで、新しい時代の幕開けが予感されます。また、たまたまかもしれませんが3位にはフィリピン航空(PR)の関空/台北/マニラ線が入っており、日本/フィリピン間での交流拡大がうかがい知れます。

 実は、これまでジェットスター航空(JQ)でオーストラリア、エアアジアX(D7)でマレーシアに行ったことはあるものの、GKやピーチ・アビエーション(MM)、バニラ・エア(JW)にはまだ乗ったことがなく、紺屋の白袴のような気恥ずかしさを覚えます。

 今年中には、などと以前も宣言しており、実際に何度か出張で使うことを検討してきたのですが、欠航時の対応などのネガティブイメージがぬぐえず、また首都圏に住んでいると成田への移動時間を考えて時は金なりで羽田を選んでしまう、という繰り返しでした。

 オフで、となるとこれまた白袴で、忙しくてというよりも引き継ぎなど休むための準備が億劫と感じられ、誰かから声がかかって初めてその気になる始末であり、さらに、たまにその気になっても行きたい場所にLCCが飛んでいないという状況も少なからずありました。

 ただ、今回のGKのように様々なデスティネーションに次々とネットワークが拡大していけば、自ずと機会が訪れるような気もします。

 先日、MM代表取締役CEOの井上慎一氏にお話しをお聞きした際に仰っていたのは、まず「きちんと飛ぶこと」が重要であり、その上で安価な運賃を提供すればあとは消費者が使い方を自由に考え始める、とのことでした。前者は、先述のネガティブイメージの払拭が好調の鍵となったことを意味すると思われますが、ユニークなのは後者で、完全に「マーケットイン」のスタイルです。

 言い換えれば、こう使ってほしい、ではなく、できるだけ使いやすくしましたので後はご自由に、という考え方です。自社のビジネスを考える際、我々の強みは何である、とか、ここがこだわりのポイントで、といった押し付けがましい思考をしてしまうことがあり、もちろん必ずしもそれが悪いというわけではないものの、顧客の視点で便利であり使いたくなることが大前提と改めて気付かされます。

 なお、今週のランキングでは民泊関連の話題も複数ランクインしました。これも使いやすさが議論の的といえますが、落としどころの調整は相当に困難と想像されます。第10位の記事ではAirbnb側が苦情窓口の設置など課題解決への姿勢を打ち出していますが、具体的な運用方法はまだ明らかになっておらず、判明してもおそらく運用してみなければ効果は不透明なままでしょう。

 また、短期的な使いやすさだけを考えれば良いというものでもありません。例えば、旅館や民宿などと比較して規制に偏りが出れば観光産業の存続と発展を脅かすことになり、ひいては日本の旅行先としての使いやすさを毀損してしまいます。

 旅行会社とOTAの関係でも同様の構図が見られますが、規制をするにせよ緩和するにせよ、イコールフッティングは大前提であると考えます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年03月11日0時~03月18日18時)
第1位
ジェットスターJ、国内LCC初の東南ア線就航-中国線も検討(16/03/16)

第2位
JATA合同インターンで学生に密着-今年は25社で研修実施(16/03/15)

第3位
フィリピン航空、関空/台北/マニラ線就航、6月からデイリー(16/03/13)

第4位
日本旅行、16年は米国・大洋州・アジアに注力-夏からパリも(16/03/13)

第5位
タイ国際航空、関空にA380とB787、夏ダイヤで座席増(16/03/15)

第6位
バニラ、関空に初就航、4月27日からデイリーで台北線(16/03/14)

第7位
規制改革会議、民泊で公開ディスカッション、6月に答申(16/03/14)

第8位
Vエアー、羽田/台北線就航、台北発初便は搭乗率74.2%(16/03/14)

第9位
海外旅行業況、欧州低迷も1ポイント増に、豪州など好調(16/03/17)

第10位
Airbnb、宿泊税の代行徴収へ-苦情用窓口設置も(16/03/14)

※除外した記事
 ◆週間ランキング、1位は海旅復活への道、震災から5年(16/03/11)
 ◆人事、IACEトラベル-4月1日付(16/03/15)
 ◆人事、日本旅行管理職(16/03/17)
 ◆春闘:JTB九州、JTB国内旅行企画、JTB東海(16/03/15)