ニューヨーク、マンハッタン以外もアピール、無料WiFi整備も

  • 2016年3月9日

(右から)クリストファー・ヘイウッド氏とマキコ・マツダ・ヒーリー氏  ニューヨーク市観光局はこのほど、旅行会社などを対象に「トラベルセミナー・ワークショップ」を開催した。同観光局グローバル・コミュニケーションズ・シニア・バイスプレジデントのクリストファー・ヘイウッド氏とグローバル・ツーリズム・ディベロップメント・シニア・バイスプレジデントのマキコ・マツダ・ヒーリー氏は業界誌のインタビューに応え、昨年に引き続きマンハッタン以外への誘客を強化する方針を示した。

 ニューヨークはブロンクス、ブルックリン、マンハッタン、クイーンズ、スタテン島の5つの行政区で構成されるが、旅行者はタイムズスクエアなどがあるマンハッタンに集中している。そのため、これまでも同局では公式サイト上にマンハッタン以外の行政区を紹介する特設ページ「NYCGO インサイダーガイド」を開設するなど、同区以外への誘客を強化。その結果、ブルックリンへの訪問者数が年々増加しているという。

 同局では今後もマンハッタン以外への誘客を続ける考えで、ヘイウッド氏はニューヨークに過去7年間に建設されたホテルのうち、約30%がマンハッタン以外にあることを強調。今後はこれらの地域において、日帰りのみでなく宿泊での滞在も訴求していきたい旨を説明した。

 ヒーリー氏はそのほか、ニューヨーク市では現在、無料のWiFiスポットを整備するプロジェクト「LinkNYC」を進めていることを説明。「WiFiスポットを提供することで、あまり知られていない行政区に行く際も(アクセスなどについて)調べることができる」とアピールした。現時点で設置済みのスポットはユニオンスクエアの1ヶ所のみだが、今年の7月までに500ヶ所、2019年までに4500ヶ所のスポットを設ける計画だ。

セミナーでは、ニューヨークに関する知識を深めるためのクイズ大会も開催した このほか、両者は2月に日米間で合意された羽田線の昼間時間帯枠についても言及し、ヒーリー氏は「羽田線が開設されれば、日本の地方からの訪問者数の増加が期待できる」とコメント。また、ヘイウッド氏は「ニューヨークに就航することを祈っている」と期待を示した。

 なお、15年のニューヨークへの日本人訪問者数は前年比約2%減の31万8000人だった。ヒーリー氏は16年については、為替相場に円高傾向が見られ始めたことや、ニューヨークをテーマとした映画「ブルックリン」が7月に公開されることなどから、前年から増加するとの見通しを示した。