週間ランキング、1位はピーチインタビュー、2位は新規就航

[総評] 今週の1位は、ピーチ・アビエーション(MM)代表取締役CEOの井上慎一氏のインタビューでした。実は、先週と同じく人事関連の記事がダントツの1位であったのですが、それを入れてしまうと上位10本のうち4本が人事という面白みにかけるランキングとなり、当欄も書きにくくて仕方がありませんので勝手ながら除外しています。

 さて、MMは2012年3月の運航開始から4年、3月期の年度でいうと5期目ですが、累積損失の解消を見込むなど順調に成長を続けられているのは周知のとおりでしょう。さらに昨年はアジア太平洋地域の年間最優秀LCCにも選ばれました。

 MMの成功は、一般メディアでも結構な頻度で「一人勝ち」と表現されるほどで、確かに再参入を予定しているエアアジアやジェットスター・ジャパン(GK)と比較してその好調さが際立ちます。もちろんそう平坦な道であったはずもなく、諸々のご苦労があったことは想像に難くないですが、そうであればこそ逆にその結果が輝いて見えます。

 思い返すと、社名をA&F・AviationからPeach Aviationに変更した時には、正直なところ「大丈夫か?」と失笑に近い感覚を抱いたのですが、今にしてみればセンスがないのは自分の方で恥ずかしい限りです。とはいえ、記事の中で「スベる」こともあったと話されていますけれども、むしろ社名で「スベる」のは絶対に避けたいと思うのが普通なはずで、それを恐れずに決断された井上氏の胆力をうらやましく感じます。

 ここまで書いて、これと似たようなことを当欄で述べたはず、と思って記憶をたどってみたところ、澤田秀雄氏の「変なホテル」が1位になった際でした(リンク)。共通するものは何かと考えるに、きっと「人と違うことをしよう」という心持ちなのでしょう。自分と周囲と、それぞれが失敗を良しとしてチャレンジできるようにするためにどのような工夫をされているのか、次の機会には是非ともお聞きしてみたいと思います。

 なお、今週の2位はメガ・モルディブ(LV)という聞き慣れない航空会社が成田への定期チャーター便を運航しはじめた記事でした。モルディブということでてっきり、日本からの観光需要に期待しているんだろう、それにしてはツアー造成など販売促進の話が聞こえてこなかったな、などと考えていたら、なんと中国路線を延伸する形で中国発の訪日需要を取り込もうとするものでした。

 訪日旅行の盛り上がりもここまで来たか、と感慨深い一方で、海外旅行需要の存在感が薄まっていることを象徴するような話題に寂しさも感じます。

 孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉がありますが、戦いに限ったものではないでしょう。ブームに乗って来られる方を歓迎するだけでなく、自らも外に足を運び、その地の習慣や自らが客となった時の喜びや悩みを知ろうとする努力が観光立国には不可欠であると信じています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年02月26日0時~03月04日18時)
第1位
トップインタビュー:ピーチ・アビエーション代表取締役CEOの井上慎一氏(16/03/03)

第2位
メガ・モルディブ、成田/マーレ間で定期チャーター開始、週3便で(16/03/01)

第3位
東京でILTM JAPAN開幕、過去最大の159社が参加-JNTOが初出展(16/03/01)

第4位
日本旅行、15年通期は減収減益-単体は販売高微増、16年は増収へ(16/02/29)

第5位
チャイナエアライン、関空線を1日5便に増便、3月27日から(16/02/28)

第6位
ハワイアン、日本路線の機内食を刷新、有名店メニューも(16/03/02)

第7位
日系2社、1月の国際線旅客は12%増、利用率は3.7%増(16/02/28)

第8位
アメリカ、ビザ免除プログラムの改定、及びテロリスト渡航防止法の施行を開始‐続報(16/02/29)

第9位
デュシット、新CEOにIBM出身のタイ人女性、革新めざす(16/03/02)

第10位
NZ、関空/オークランド線を再開、11月から季節限定で週3便(16/03/02)

※除外した記事
JTBグ役員人事、WVや首都圏など新社長-4月1日付(16/02/28)
人事、日本旅行役員、3月25日付(16/02/28)
人事、日本旅行管理職、3月1日付(16/02/29)
人事、阪急交通社グ-4月1日付(16/03/01)