三重のなか平が破産開始、負債13億円-旅館「慶泉」など運営
東京商工リサーチ(TSR)によると、旅館「網元なか平」と高級旅館「慶泉」を運営する三重県鳥羽市のなか平が、2月22日に津地方裁判所伊勢支部に破産を申請し、破産開始決定を受けた。負債総額は13億円。
同社は1912年に同市で商人宿を開業。68年頃から本格的に観光旅館業に参入し、「網元なか平」の経営を始めた。97年には「慶泉」を、2000年には志摩市内に宿泊施設「沙都邑」を開設し、同年7月期には13億8400万円の売上高を上げた。しかし、その後は長引く不況で宿泊客数が伸び悩み、リーマンショック以降はさらに業績が低迷。13年から14年にかけては、伊勢神宮の式年遷宮による観光客の増加で若干持ち直したものの、効果は長く続かず、15年7月期の売上高は3億6300万円に留まった。
同社は業績の低迷を受けて「沙都邑」を売却。過去の積極的な投資に伴う多額の銀行借入金の返済に努めていた。しかし業績不振で借入金の返済も滞り、今回の措置となった。
なお、「網元なか平」は営業を停止。「慶泉」は休業中だが、今後は愛知県で旅館業を営む海栄館に譲渡し、事業を継続するという。