日本航空、16年度は中計完遂へ、営利減も純利は1割増
日本航空(JL)は2月18日、2012年度から16年度までの中期経営計画の進捗状況や今後の方針を確認する「2012~2016年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2016」を発表した。同プランはJLが毎年発表しており、今回は14年度から15年度を「経営基盤を整え、成長の実現に向けた第一歩を踏み出した期間」と位置づけた。16年度については「安定した成長により中期経営計画を達成し、17年度以降に備える期間」と明示。同社代表取締役社長の植木義晴氏は「経営目標を完遂した形で5ヶ年計画を完成させることが、17年度以降の基盤を整えることにつながる」と語った。
15年度の連結業績は、営業収益は前年比0.6%減の1兆3370億円、営業費用は2.7%減の1兆1330億円、営業利益は13.5%増の2040億円で、経常利益は15.2%増の2020億円、当期純利益は15.4%増の1720億円を予想する。燃油費を除くユニットコストは、「ローリングプラン2015」では9.0円の見通しだったところ、9.4円と増加。ユニットレベニューは国際線が燃油サーチャージ引き下げの影響などで2%減、国内線は「JAL SKY NEXT」機材投入路線の拡大などで4%増を見込む。
16年度は、営業収益は15年見込み比で0.4%増の1兆3430億円、営業費用は0.8%増の1兆1420億円、営業利益は1.5%減の2010億円、経常利益は4.5%減の1930億円、純利益は11.6%増の1920億円を計画。営業利益の減少は、安定的な人材確保のための人件費の増加や、サービス強化のための投資などによるもの。植木氏は「16年度は増収減益の計画だが、社員一丸となって増収増益をめざしたい」と意欲を示した。ユニットコストは9.8円を予想。JL取締役専務執行役員経営企画本部長事業創造戦略担当の乘田俊明氏は「全社員の生産性の向上や費用削減の努力により、可能な限りの低減に取り組む」と意欲を示した。ユニットレベニューは国際線がほぼ前年並み、国内線が1%増を予想する。
JLは中期経営計画で「5年連続営業利益率10%以上、16年度末自己資本比率50%以上」の達成を目標として掲げているところ。15年度の営業利益率は1.9ポイント増の15.3%、自己資本比率は0.3ポイント増の53.0%で、目標を達成する見込みだ。16年度は営業利益率は0.3ポイント減の15.0%、自己資本比率は5.4ポイント増の58.4%をめざす。
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