15年の旅行収支、1.12兆円で53年ぶりの黒字-12月も黒字に

  • 2016年2月8日

 財務省がこのほど発表した国際収支状況の速報値によれば、2015年(15年1月~12月)の旅行収支は1兆1217億円の黒字で、前年の441億円の赤字から大幅に改善した。年間の旅行収支が黒字化したのは、1962年以来53年ぶり。同省では、中国人を中心とした訪日外国人観光客の増加が黒字化に寄与したとの考えだ。なお、日本政府観光局(JNTO)によれば、15年1年間の訪日外客数(速報値)は前年比47.1%増の1973万7400人。このうち中国人は107.3%増の499万3800人だった。

 サービス収支は1兆5173億円改善し、1兆5628億円の赤字となった。同省によれば、旅行収支に加え、知的財産権等使用料が1996年以降で過去最大の黒字となったことなどで、96年以降で過去最少の赤字を記録。貿易収支は6434億円の赤字で、サービス収支と合わせた「貿易・サービス収支」は2兆2062億円の赤字となり、いずれも赤字幅を縮小した。15年の国際収支の経常収支は前年から13兆9955億円増の16兆6413億円の黒字だった。

 12月単月の旅行収支は1183億円の黒字で、昨年の300億円から黒字幅を拡大し、1996年以降の12月単月として過去最高となった。なお、黒字の計上は14ヶ月連続。

 旅行収支が好調だったことなどから、サービス収支は赤字幅を縮小。前年から1870億円改善し、1713億円の赤字となった。このほか、貿易・サービス収支は貿易収支が1887億円の黒字に転化したこともあり、174億円の黒字となった。経常収支は7348億円増の9607億円の黒字で、14年7月から18ヶ月連続で黒字となった。