週間ランキング、1位はデルタの成田方針-LGBT取り組みも
[総評] 今週の1位は、デルタ航空(DL)が首都圏発着枠の行方について出した声明でした。その内容は、今のままだと羽田ばかりが便利になり、成田は地盤沈下して成田をハブとするDLは大ダメージを受ける、それを避けるためには成田に就航する7路線すべてを運休するかもしれない、というものです。また、スターアライアンスとワンワールドによる寡占のリスクも指摘しています。
実際のところ、都内に住んでいると出張にせよプライベートの旅行にせよなるべくなら羽田空港がありがたく感じられ、特に社会人であれば、例え成田路線の方が安価でも利便性や時間を考えて羽田を選ぶという旅行者がかなり多いのではないかと思われます。そうであるとすれば、DLの危機感は至極当然でしょう。
とはいえ、本当に全路線を撤退するかというとそれもにわかには信じられません。信じたくないだけかもしれませんが、成田が便利というお客様は少なからず存在しますし、さらに関東圏や際際乗継の市場規模を考えれば、仮に羽田のプレゼンスが大きくなっても一定の路線は維持できるでしょう。
もちろん、DLといえばスカイチームの盟主であり、スカイチームといえばアジア内に多くの加盟航空会社を抱え、そしてお隣のソウルにも大韓航空(KE)がハブを構えているわけで、そちらに軸足を移していくこともないではないかもしれません。しかし、それにしてもDLが日本で手にしている権益はその経緯からしてもなかなか手に入るものではなく、手放すには惜しいものであるはずです。
いずれにしても交渉の成り行きが最重要ですが、次回の航空協議は2月9日に開かれます。両国でどういった準備が進んでいるのかわかりませんが、さすがにDLの望む羽田の完全な拠点化は現実的でないとしても、何かしらの配慮があるのかないのか、そして落としどころはどこになるのか、非常に興味深いところです。
今週はこのほか、5位にLGBT(性的少数者)関連の記事がランクインしました。内容は大分県別府市がセミナーを開催したというものですが、実は記事中に出てくるアウト・ジャパンはトラベルビジョンにとって兄弟会社にあたり、私も昨年からの準備に少し関わってきました。
最近ではLGBTについてテレビや新聞に取り上げられている機会も多くなりましたが、当初はまったく知識も肌感覚もなく、有り体にいってしまえば得体のしれない世界という印象を持っており、どのように振る舞えばいいのか大変戸惑っていたことを覚えています。
そうした無理解が変化した一番のきっかけは、東京レインボープライドというLGBTのお祭りのようなイベントでした。アンケートへのご協力をお願いするために昨年4月末に参加し、多くの参加者の方々と交流したのですが、その交流を通して「腑に落ちた」といいますか、「別の世界なのではなく地続き」であるということを自然と感じることができました。
どうやら、頭で考えるよりもそっくりそのまま体感してしまう方が私には合っていたようです。今年の東京レインボープライドは5月7・8日開催とのことで、社員も誘ってまたお邪魔したいと考えております。また、もし読者の皆様の中で、行ってみたいけれども1人では不安、といった方がいらっしゃるようでしたら是非ご一緒できればと思いますので、editor@travelvision.co.jpにご連絡をお待ちしております。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年1月第5週:1月24日0時~1月29日18時)
第1位
◆デルタ、成田全線の運休示唆、羽田昼枠交渉に反論(16/01/25)
第2位
◆ベルギー、回復に向け旅行会社と関係再構築、3観光局一体で (16/01/24)
第3位
◆ANAセ、16年度目標は海外38%増、欧州など期待-国内は3%増(16/01/24)
第4位
◆サービス連合、16年春闘も「0.5%以上」、15年冬一時金は増加(16/01/25)
第5位
◆別府市がLGBT受け入れに本腰、市長も意欲-セミナー初開催(16/01/24)
第6位
◆スカイマークと全日空、共同運航協議が難航-佐山氏がツイート(16/01/25)
第7位
◆楽天トラベル、マリオットとシステム接続、東南アや北米強化(16/01/24)
第8位
◆民泊、「簡易宿所」登録で対応へ、面積基準など緩和-4月目途に(16/01/25)
第9位
◆ハワイ、新プロモ「有休ハワイ」開始、交通広告やCMで訴求(16/01/26)
第10位
◆HISのAAA、成田/バリ間でチャーター、2月と3月に(16/01/28)