週間ランキング、1位はカモメツーリスト、ANAの資本提携も

[総評] 今週の1位は、第1種旅行業のカモメツーリストについての記事でした。かもめツアーのかもめとは無関係だそうですが、そういった興味もあって多くの方が読んでくださったようです。

 記事の趣旨は、今後の成長戦略としてインバウンド/アウトバウンド両方を強化していくというもので、このうちインバウンドは2015年の取扱人数30万人を2020年には50万人へと引き上げようとされています。5年間で約1.7倍というと毎年1割程度の伸びで達成できるわけで、昨今の市況や創業15周年パーティーを椿山荘で開催できる業況などからすれば少し謙虚すぎる目標と感じるのは私だけでしょうか。

 今回は残念ながら数字の根拠までは取材が及びませんでしたが、2匹目のドジョウでまた多くの方に読んでいただけることを期待しつつ、機会を見てお聞きしてみようと思います。

 次の2位には、ANAグループによるベトナム航空(VN)への出資が入りました。ANAグループにとっては初のアライアンスを越えた資本提携ということで、2013年4月発表の中期経営計画で掲げたアジアへの投資強化を、計画通りに実行している印象を受けます。

 また、気付けばこの中期経営計画の対象期間もこの3月までで、おそらくあと数ヶ月で次期計画がつまびらかになることでしょう。2013年度と2015年度を4月から11月までの期間で比較すると、成長の鍵と位置づけていた国際線の有効座席キロ(ASK)は30%以上増加してすでに日本航空(JL)を上回っています。旅客数と利用率はまだ後塵を拝していますが、4月以降の新計画では何をめざすのか、発表が待たれます。

 投資という意味では、ミキ・ツーリストの持株会社グループミキホールディングスなどによる訪日合弁会社の設立も4位に入っています。グループミキホールディングス代表取締役社長の檀原徹典氏はご就任の当初から「メッシュ型」のビジネスモデルをめざす考えを示されており、(リンク)、今回の動きもこの一環でしょう。

 ただ、現在のような市場環境であればインバウンドに活路を見出そうとするのは当然であり、今年はミキ・ツーリスト以外でも海外に拠点を持つオペレーターによる日本への送客がより活発になるような予感がしています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年1月第3週:1月10日0時~1月15日18時)
第1位
カモメツーリスト、20年の訪日取扱50万人へ-海外旅行は方面拡大(16/01/10)

第2位
ANAグ、ベトナム航空と資本提携、コードシェアなど視野に(16/01/12)

第3位
JTB、価格変動型商品で「ホールセールの革新」、早期受注強化も(16/01/14)

第4位
ミキ、トラベルロードと訪日会社設立、欧州メインに(16/01/13)

第5位
新春トップインタビュー:日本旅行業協会会長 田川博己氏(16/01/14)

第6位
新春トップインタビュー:日本旅館協会会長 針谷了氏(16/01/12)

第7位
エールフランス、成田線も新座席のB777で運航開始(16/01/13)

第8位
JALグ、沖縄の地上支援3社を統合、外航の要請にも対応(16/01/10)

第9位
Booking.com、大崎にセンター移転、顧客サポート強化(16/01/12)

第10位
春秋日本、成田/武漢、重慶線の航空券発売、特別運賃も(16/01/10)