リッツ・パリ、3月に再オープン、シャネルのスパなど新設

  • 2016年1月4日

改装に伴いロゴを変更。「ホテルではなく、お客様のプライベートなレジデンス」をコンセプトに、ロゴから「Hotel」の文字を消した  フランスの「リッツ・パリ」は2016年3月15日、リニューアルオープンする。同ホテルは12年8月から休業し、全館を対象とした大規模な改装工事を実施しているところ。同ホテルが全館をリノベーションをするのは今回がはじめてとなる。このほど来日したディレクター・オブ・コミュニケーションズ&エクスターナル・リレーションズのアン・ベニショー氏は「リッツのイメージを守りながら改装している」と説明。ブランド・ディベロプメント・ディレクターのジャン-フィリップ・ザーム氏も「リッツは改装後も同じリッツ」と強調した。

 工事では、電気系統や水回りなどの設備を最新のものに変更するほか、無料のWifiサービスを導入する。客室には床暖房を設置し、バスルームは2つの洗面台があるダブルシンクにした。また、ココ・シャネルやマルセル・プルーストなど、リッツ・パリに縁のある著名人の名前を冠した「プレステージ・スイート」に、新たに「マリア・カラス」を加えた。なお、今回のリノベーションにより客室数はスイート・ルーム71室を含む計142室となり、改装前から8室減少した。

 新たな施設としては、シャネルがスキンケア技術を提供する「CHANEL au Ritz Paris」を開業し、同社のスキンケア商品を活用したフェイシャル・トリートメントを提供する。料飲施設は、ビストロの「リッツ・バー」と、アフタヌーンティーなどを提供する「サロン・プルースト」を新設。会議施設として、シアター形式で約280名を収容できるバンケットルームも新たに用意した。このほかショピング施設も刷新しており、日本からは真珠やダイアモンドなどのジュエリーを提供する「TASAKI」が出店し、独自のコレクションを販売する。

(左から)アン・ベニショー氏、ジャン-フィリップ・ザーム氏  新しくなったリッツ・パリの予約の受付は15年8月から開始しており、好調に推移しているところ。ベニショー氏によれば宿泊者の半分はリピーターといい、リニューアルオープン後のスタッフについては、サービスの質を担保し「顧客と築き上げた関係性を重視する」ため、半数は休業前のスタッフを採用する。

 リッツ・パリの主な顧客は米国、ロシア、英国の3ヶ国からの旅行者。日本人は全体の数%程度だが、FIT層を中心に増加傾向にあるという。ザーム氏は現在の予約は25%がオンライン経由だが、日本や中国などは旅行会社経由での予約が多いことから「日本の旅行会社は非常に重要だと考えている」とし、引き続き関係性を強化したい考えを語った。