アクセスランキング、1位は年末年始の国際線旅客、民泊も2本
[総評] 今週は、年末年始の成田と関空における国際線旅客数の予測値をご紹介した記事が1位でした。両空港とも前年を上回っていますが、例によって訪日旅行者が牽引しているようで正直なところそこまでの目新しさはなく、週間1位のアクセスを集めたことにやや驚いています。
特に今週はヤフーによる一休のTOBという大きなニュースも飛び込んできており、本命はこちらかと思っていました。そもそも旅行業界内で上場している企業が少ないためこういった話題自体が珍しくもあるわけですが、それにしてもヤフーと一休のシナジーというのは読者の皆様にとっても興味深いものでしょう。
加えて、4位と8位には民泊関連の記事が入っており、現在の宿泊流通の変化を凝縮したようなランキングです。民泊といえばエクスペディアもちょうどホームアウェイの買収を完了したところで、こうした変化は2016年も着々と進んでいくと予感されます。
先々週の当欄でも書きましたが、民泊は間違いなく拒絶できない大きな流れでしょう。2位の記事でジェイティービー(JTB)は、2016年に訪日外客数が2350万人に達すると予測していますが、それほどの需要が日本へ押し寄せてくるわけで、そのうちの一定の割合が必ず民泊を利用しようとします。
需要の大きさを考えると、民泊業者や部屋の貸し手をもれなく厳罰に処すような「民泊鎖国」でもしない限り、課題があっても押し流され埋没していってしまう可能性が高いのではないでしょうか。
ダーウィンの言葉として、「最も変化に適応したものが生き残る」という表現が頻繁に引用されます。実際のところは彼の主張であるという根拠がないそうですが、説得力は確かに感じます。周囲の経営環境に対する働きかけも忘れるべきではないものの、目先の変化に対応できなければ早々に土俵から退かざるを得ないでしょう。
もちろん、変化に適応と観念的に言うことは簡単ですが、具体策が容易に見つかるものではありませんが、何かをしなければ何も始まらないのも当然です。
例えば、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を地で行って、Airbnbなどでどこかで泊まってみるのも一つの手でしょう。旅行業にせよ宿泊業にせよ、立場は違えど何が消費者に受けているのか、自分たちのサービスと比較した過不足は何か、消費者として考えてみれば、百戦負けなしは難しくとも良いヒントは見つかるように思います。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年12月第3週:12月13日0時~12月18日15時)
第1位
◆年末年始の国際線、成田は4%増の127万人、関空は過去最高に(15/12/13)
第2位
◆JTB予想、16年出国者は微増の1620万人-訪日は2350万人(15/12/16)
第3位
◆ヤフーが一休を買収、サービス予約強化-ブランドは維持(15/12/15)
第4位
◆バニラエア、ウェブサイトに不具合、第三者の予約情報が閲覧可能に(15/12/13)
第5位
◆日本航空、成田/パリ線を期間運休、1月と2月に(15/12/15)
第6位
◆トップインタビュー:Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏(15/12/17)
第7位
◆ジェットスターJ、台北/関空、中部線就航、日本発搭乗率は約95%(15/12/13)
第8位
◆民泊検討会、Airbnb「新ルールを」-宿泊団体は取締強化要望(15/12/14)
第9位
◆ブリティッシュ・エアウェイズ、成田線にB787-9、7月から(15/12/14)
第10位
◆インド人の数次ビザ緩和、日本人の到着時数次ビザも-日印会談(15/12/14)