アクセスランキング、1位はHIS決算、テーマパークが存在感大

[総評] 今週の1位は、エイチ・アイ・エス(HIS)の2015年10月期連結決算についての記事でした。旅行、テーマパーク、ホテルが2割を超える増益を実現し、九州産交は減益も営業利益10億円台を維持、苦戦が続く国際航空チャーターの運輸事業は赤字幅が縮小と好調で、5期連続での過去最高益の更新となりました。

 2015年10月期はHISにとって35期目でした。正確には1980年ということで、年度では私も同い年であることにいまさら気付いたわけですが、たった35年で旅行業界ではジェイティービー(JTB)かHISか、といわれるような企業グループを作り上げた澤田秀雄会長の手腕には恐れいります。

 ただ、一つ気がかりというか今後が気になるのは、昨年も書いたように思いますが、テーマパーク事業の存在感と旅行事業の利益率の低さです。旅行事業とテーマパーク事業はいずれも増収増益となっており、特に営業利益はいずれも22%弱の増加で並んでいますが、売上高は旅行が1.6%増であるのに対してテーマパークは24.0%増と大きく伸長しています。

 売上高営業利益率を見ると、旅行は0.4ポイント伸びて2.6%となっているものの、テーマパークは0.5ポイント減っても29.4%です。単純計算すると、グループ全体の業績への貢献度は、売上高では旅行が88.6%を占めるのに対してテーマパークは6.1%に過ぎませんが、営業利益では旅行が62.8%、テーマパークが47.1%となるのです。

 もちろん125億円もの利益を稼ぐ事業をやめることなどありえませんが、経営者としてこれからの事業展開を計画する際に、どこに軸足を置くかをつい考えてしまうのではないかと思ってしまいます。それこそ、ここまでの急速な成長を成し遂げた澤田氏が今後をどのように展望されているのか、後継者についてのお考えを含めてお聞きしてみたいところです。

 また、個人的にもう一つ気になるのは8位の「おがさわら丸」で、私は首都圏住まいですので記事の主旨とは異なりますが、短めの船旅、島旅の移動手段としてとても興味を惹かれています。

 ――こう書いて、2014年4月にバニラエア(JW)が奄美大島への就航を発表した際、年内に乗ると書いておきながらそのままになってしまっていたことを思い出しました。出張には多く行っても個人ではなかなか腰が重いというのはまさに紺屋の白袴で、2016年はせめてどちらかには行かなければ、と出張先のメルボルンで感じたことをここに記しておきます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年12月第2週:12月6日0時~12月11日16時)
第1位
HIS、15年10月期は売上と全利益が過去最高、純利100億円超(15/12/06)

第2位
タイガーエア台湾、台北/中部、福岡線を開設、1月末から(15/12/10)

第3位
政府、普天間へのディズニー誘致を全面支援-官房長官会見(15/12/09)

第4位
星野リゾート、政策投資銀と共同ファンド、年内運用へ(15/12/06)

第5位
現地レポート:モルディブ、高級リゾートならではの魅力(15/12/10)

第6位
トップインタビュー:韓国観光公社日本地域本部長の康重石氏(15/12/08)

第7位
全日空、成田/武漢線開設へ、4月からデイリーで(15/12/07)

第8位
小笠原、来夏に「おがさわら丸」新造船、地方発需要獲得へ(15/12/09)

第9位
ピーチ、那覇の拠点機能を強化、2月に成田線開設-台北線増便も(15/12/08)

第10位
フィンエアー、16年は福岡線に期待-今年もサンタ招聘(15/12/06)