ハワイアン航空、来夏からの成田線に自信、「羽田に続く成功を」

  • 2015年12月8日

HA上席副社長のテオ・パナジオトゥリアス氏  ハワイアン航空(HA)は12月8日、羽田/ホノルル線の就航5周年を記念し、都内で戦略説明会を開催した。来日したグローバルセールス・アライアンス部門上席副社長のテオ・パナジオトゥリアス氏は冒頭で、このほど発表した2016年7月の成田/ホノルル線開設について説明。「開設は、大いに成功している羽田線を補完するもの」とアピールし、「成田線で同様の成功を実現できないという理由はない」と自信を見せた。HAによれば、羽田線は10年11月の運航開始以来、80万人以上が利用し、平均搭乗率は90%以上に達するという。

 パナジオトゥリアス氏は成田線の客層がカップル、家族連れ、友人のグループなど、羽田線と同様に幅広いものになるとの見方を示した。成田線のメリットとしては「千葉県や埼玉県などの利用者にとって、便利な選択肢が増える」と説明。東京都や神奈川県などの利用者に便利な羽田線とあわせて「2路線で首都圏全体をカバーできるようになる」と意欲を示した。成田線も羽田線と同様に、デイリーで運航する。

 路線開設の時期を来年7月としたことについては「できるだけ早く開設したかった」と述べた上で、新たな機材の納入時期などに左右された旨を説明した。使用機材はエアバスA330-200型機で、座席数はビジネスクラス18席、通常のエコノミークラスより足下の広い「エクストラ・コンフォート」40席、エコノミークラス236席の計294席となる予定。

 同氏はそのほか、日本市場での取り組みについて説明し、14年に導入した「エクストラ・コンフォート」や、16年以降に羽田線と関空線にも導入を予定する新たなビジネスクラスについてもアピール。機内食におけるハワイの有名シェフとのコラボレーションなどについても紹介し、「日本路線は最も大切な市場の1つで、これからもサービスの提供に全力で取り組む」と語った。

 HAは現在、ホノルル線を羽田、関空、新千歳から運航しているところ。日本におけるハワイ旅行需要については「円安の影響はあるが旅行者数は横ばいで、その他のデスティネーションに比べれば、安定した数を維持できている」と評価した。今後の日本路線の拡大については「さまざまな検討を続ける」とのみ語り、未就航の中部への路線開設についても「予定はない」と回答。一方で「日本市場では長期的な拡大をはかりたい」とも述べた。

HA日本支社長の宍戸隆哉氏  なお、本誌の取材に応じたパナジオトゥリアス氏は、米国運輸省(DOT)がこのほど、アメリカン航空(AA)が2月に開設する予定の羽田/ロサンゼルス線の「バックアップキャリア」にHAを選んだ話題などに関連して、改めてコナ線の直行便就航に意欲を示した。日本支社長の宍戸隆哉氏も、HAがハワイ諸島内に充実したネットワークを有していることを強調し、実現すればホノルル線とコナ線のオープンジョーなども可能になる旨を説明した。