トップインタビュー:韓国観光公社日本地域本部長の康重石氏
国交正常化50周年はMERSに泣くも
首脳会談実現で来年は復活へ
-来年以降、日本の旅行会社に期待することは
MERSからの復活に向け、エイチ・アイ・エス(HIS)と共同で企画した百済歴史地区へのモニターツアーについては、8月末でMERSの影響が残っていた時期に実施したにもかかわらず500人を集めて、大きな自信につながった。長い目で見れば、上りがあれば下りもある。今後も良い雰囲気を広げていくことができれば、来年からは再び上りの時期に入ることができると考えている。
16年の日本人旅行者数の正式な目標については韓国の本社が12月に決定するが、個人的には14年と同程度の220万人から230万人程度にまで戻したい。条件がそろえば250万人も無理ではないと思う。訪韓と訪日をあわせた交流人口は、600万人から650万人くらいになれば良いと考えている。
-11月の観光説明会では、来年から18年まで実施する3ヶ年のキャンペーン「ビジット・コリア・イヤー」について言及されていました
康 クムホアシアナグループ会長の朴三求(パク・サムグ)氏が委員長を務める民間組織「韓国訪問委員会」が中心となり、18年の平昌冬季オリンピック大会開催に照準をあわせて、外国人観光客数年間2000万人の早期達成やリピーターの確保に向けたさまざまな事業を進める。詳細はこれから決定されるが、中央政府や自治体、関連機関なども計画に則って協力する予定だ。
キャンペーンにはいくつか大きな柱があり、まずは観光業界を中心に、国民的なホスピタリティ向上に向けたキャンペーン「K-Smile」を推進して、外国人旅行者に「また来たい」と思ってもらえる雰囲気をつくる。また「コリアグランドセール」「韓国訪問優遇カード」などFIT向けのインセンティブも拡充する。オリンピックの成功に向けては、連動した文化イベントなどを多数計画している。オリンピックにあわせた地方観光の発展も大きなテーマで、すでに地方行きシャトルバスのサービス拡充などを進めているところだ。
-中国人が急増する訪韓旅行において、日本人の重要性はどのように変化していくのでしょうか
康 今年の1月から10月までの間に、中国からは500万人もの旅行者が訪韓した。一方で日本人は150万人まで減少し、中国の3分の1以下となっている。しかし訪韓旅行全体を安定させるためには、1ヶ国からの集中は避けなくてはいけない。中国経済は今のところは好調だが、その成長については減速も囁かれている。日本を含む多くの国から、バランス良く来ていただくことが重要だ。
中国に対する旅行者数増への期待は大きいが、日本人とは旅行のスタイルが違って、まだまだ画一的な団体旅行に偏っている。一方でFIT中心の日本人は、それぞれの興味で訪れたいところを訪れ、いろんな場所でお金を使う。そのことは裾野の広い経済活性化につながるし、訪韓旅行の質の向上につながる。日本人が果たす役割は大きく、長期的に見ても重要だ。
-ありがとうございました