アクセスランキング、1位はAirbnbと法整備、羽田/米国線も

[総評] 今週は、Airbnbが民泊に関して早期の法整備を求めたことをお伝えした記事が1位になりました。「民泊」の2文字が一般紙にも登場するなど社会的に注目が高まっていますが、観光業界への影響は非常に大きく、「旅行業」や「宿泊業」の存在意義に関わる話題だけに多くの方々にお読みいただいたものと思われます。

 偶然かどうか、Airbnbの報道機関向けイベントの翌日には観光庁と厚生労働省が民泊ルールの検討会を開催しており、早ければ2016年夏にも報告書をあげるそうです。OTAやLCCがそうであったように、現代において一度発生した新しい波は打ち消せることはなく、どこかしらに落とし所を見出すことになるでしょう。

 変化を経てできあがるのは「ニューノーマル」、つまり「新しい普通」です。仮に民泊などのシェアリングエコノミーがブームであったとして、しばらくすれば下火となることがあったとしても、それが存在しなかった頃の「普通」が手元に戻ってくることはありません。

 そうであるならば、より早く変化に対応した方がより無駄が少なく済むのは自明です。観光庁と厚生労働省の検討会では、初回ということもあって様々な観点から条件や留意点の説明がなされたようですが、議論の進め方についても慎重さと迅速さという両極端な対応を求める声が出ています。

 個人的には、微に入り細に入った議論をするよりも、大枠のみを定めて詳細は現実に即した運用で対応していくほうが望ましい考えています。もちろん、宿泊客の安全、トラブル対策など考えるべきことは少なからずあります。しかし、まだ見ぬ別の「ニューノーマル」がすぐそこに控えているかもしれないことを考えれば、より重視すべきはスピード感であると感じる次第です。

 今週はこのほか、羽田/米国線に関わる記事も5位にランクインしました。経緯は長くなりますので記事をご覧いただくとしますが、このまま問題がなければ、来年2月11日にアメリカン航空(AA)がロサンゼルス線を開設することになります。また、もしAAが2月29日までに就航しない場合は発着枠がハワイアン航空(HA)に移ることも決まりました。

 そしてさらに、12月2日と3日には航空当局間で協議がおこなわれ、昼間時間帯の配分について議論されています。昼間時間帯の羽田国際線発着枠といえば1枠で年間売上が100億円ともいわれる貴重な権利ですが、米国については1年半以上にわたって9枠も配分が決まらず未使用状態が続いていました。

 今回の航空交渉の結果は4日14時30分現在では不明ですが、仮に合意していたとしてもそれから両国で航空会社へ配分されて就航先が決まり、実際に運航が開始されるまでには今しばらく時間がかかるでしょう。

 しかし、それでも単純計算で売上高900億円分の発着枠が使われる方向で動いており、実現すればそのうちの幾ばくかが旅行会社の収益になるわけですから、本当にようやく、という心持ちで、同時にこれ以上の問題が起きてくれるなと強く願わずにはいられません。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年11月第5週、12月第1週:11月26日0時~12月4日14時)
第1位
Airbnb、民泊の早期法整備を要望-経済効果に自信(15/11/26)
観光庁と厚労省、民泊ルールの検討開始、来夏にも報告書(15/11/29)

第2位
ミュゼトラベルがサービス提供終了、11月30日で(15/12/01)

第3位
ハワイアン航空、16年7月に成田/ホノルル線就航、デイリーで(15/12/01)

第4位
現地レポート:佐賀、16年はチャンスの年、国内外の注目集まる(15/12/01)

第5位
羽田米国線、AAのLAX線就航延期を承認、HAはバックアップに(15/11/26)
米国と航空協議開催、羽田昼時間帯の路線開設など焦点に(15/11/30)

第6位
年末年始の旅行者数、国内増で過去最高の3058万人に-JTB調査 (15/12/02)

第7位
エアアジアJ、新CEOに秦氏、スカイマーク前会長社長も経営参画(15/11/30)

第8位
タイ、20年日本人200万人に向けMOU、JNTOやJETROと協業(15/11/29)

第9位
HIS、電力販売事業に参入、店舗網を活用-HTB子会社で (15/11/30)

第10位
米国政府、タイ航空会社の新規就航など禁止-国交省は対応変えず(15/12/02)