トップインタビュー:ニュージーランド政府観光局日本局長の猪膝直樹氏
春・秋のショルダーシーズンの取組強化
リピーター獲得めざし商品の多様化へ
日本人の海外旅行の需要が低迷し、2015年の出国者数が前年を下回るなか、ニュージーランドへの日本人渡航者数は観光局や航空会社のプロモーションなどの成果もあり、好調に推移している。ニュージーランド航空(NZ)が成田/オークランド線を増便し、提供座席数を増やすなか、ニュージーランド政府観光局は今後のさらなる日本人渡航者数の増加に向け、いかに舵取りをおこなっていくのか。このほどニュージーランド政府観光局日本局長に就任した猪膝直樹氏に今後の方針を聞いた。
-日本市場が好調に推移しておりますが、その要因は
猪膝直樹氏(以下敬称略) ニュージーランドへの日本人渡航者数は、過去10年ずっと下降線を辿っており、かなり厳しい状況が続いていた。しかし、15年度(14年7月~15年6月)の日本人渡航者数は前年比9%増の8万4000人と増加している。このうち、観光目的の日本人は11%増の約5万5000人。全体的に海外旅行者数が減少しているなかで、ニュージーランドは旅行先としてシェアを伸ばしている。
我々は14年度から16年度までの3年間の目標として、年間9万人をめざしている。今のところ好調に推移しているので、外的要因が何もなければ目標達成は可能だろう。
日本人の増加は、各旅行会社でニュージーランドの旅行商品が徐々に定着してきたことが一因だろう。ニュージーランドは日本市場全体からすれば小さなデスティネーションで、「どういう所なのかわからない」と思われており、なかなか販売につなげられなかった。このため、独自の方法で旅行会社とコミュニケーションを取っていかなければならないと考え、活動してきた。