観光庁、訪日客誘致のモデル地域を募集、地方都市1、2ヶ所
観光庁は11月19日、多くの訪日外国人旅行者から選ばれる地方の観光地域「観光立国のショーケース」の確立に向け、観光地域の募集を開始した。政府が2015年6月30日に閣議決定した「『「日本再興戦略』改訂2015」に盛り込まれた「観光地域での観光立国のショーケース化」プロジェクトを踏まえたもの。同プロジェクトでは、「観光立国のショーケース」を20年までに作り上げることで、訪日外国人旅行者の地方誘客に関するモデルケースの確立をめざしている。今回は、特定の条件を満たした観光地域のなかから1、2ヶ所の地域を選定し、2020年までに観光地域の形成をはかる。
対象は単独の地方都市で、東京、名古屋、京都、大阪周辺をまわるゴールデンルート上に位置する都市は除外する。なお、自然や歴史、文化、スポーツなどのテーマで一体として観光地域を形成している区域については、共同応募も可能。選定後に日本版DMOが速やかに形成される予定であることが必須条件だ。
また、地域資源や食、文化財、環境などについて多様な観光資源を有しており、人口規模が10万人程度以上で、外国人延べ宿泊者数が年間5万人泊以上の地域を対象とする。ただし、人口を上回る外国人延べ宿泊者数があれば、人口は5万人程度以上からとした。
さらに、先進的な取り組みにより多くの訪日外国人を誘客した実績があり、さらなる高みをめざす意欲や能力を備える都市、豊かな観光資源や立地条件に恵まれており潜在能力があるが現時点では十分に能力を発揮できていない都市、空港のコンセッションなどの新たな政策的取組により訪日外国人旅行者の大幅な増加が見込まれる都市、のいずれかの条件に該当する必要がある。
応募の際は、日本版DMOの確立の見通しと、「観光資源の磨き上げ」「ストレスフリーの環境整備」「海外への情報発信など」の3点に関する観光地域づくりの具体策を提示する。取り組みの進捗情報を把握するための評価指標の設定や、PDCAサイクルを回す体制についても言及する必要がある。
応募の締切は12月14日の12時必着。選定された地域に対しては、観光庁を中心とした関連省庁が連携を強化して、取り組みを集中的に支援する計画だ。