カニが来たぞ(3) 紅ズワイと寒ブリ-富山・鮮度抜群の2大巨頭

 富山のカニと言えば「紅ズワイガニ」。越前ガニや松葉ガニと異なり、旬は9-12月と少し早い。富山では「味覚の女王」と呼ばれ、家庭でも味わえるように庶民の味として親しまれている。富山の冬は寒ブリとあわせた2大巨頭が観光客の舌を楽しませる。

「女王」と「王者」を食べる冬

 富山湾の紅ズワイガニは水深800-2500メートルの深海に生息。これを「かにかご漁業」で漁獲するのが特徴だ。富山県が発祥とされる漁で約1.5メートルのカニかごを300個以上も沈めて獲るもので、落としどころ次第で漁獲量が変わるため熟練の漁師の腕があってこそ大漁が期待できる。

 新湊、魚津、くろべ各漁港で水揚げ。富山湾は海岸から急峻な海底となり漁場まで約1時間で行けるため、水揚げ後すぐに茹でることができ、その鮮度は抜群だ。加えて北アルプスから流れ出る良質な水や豊富なプランクトンで育ったカニの旨味は格別で、上品な甘みにやみつきになる人も多い。

 松葉ガニと比べると少し小さめで、ゆでた後の赤さが目印。子どもでも一杯を十分食べられ、酢の物、ゆで、鍋と様々な調理法で楽しめる。

 一方で、寒ブリは冬の富山湾の代名詞。日本海の荒波で育ったブリは脂がたっぷりと乗った濃厚な旨味が多くのファンに愛される「富山湾の王者」だ。新鮮なものは歯ごたえ十分。刺身や焼き魚、「ブリしゃぶ」で存分に味わいたい。

 高岡市のドライブイン「海鮮問屋 柿の匠」では団体用の食事メニューとして秋は紅ズワイガニ、冬はブリしゃぶの会席を用意。お造り御膳や寿司御膳など多彩なラインナップで、なかでも名物の海鮮丼は富山湾の旬を盛り込んだ逸品だ。

 160人収容でき、大型バス5台と乗用車50台が駐車可能。北陸道・小杉ICから車で15分。

 (15/11/19)


情報提供:トラベルニュース社