カニが来たぞ(2) 加能ガニ-石川・芳醇な香りと甘味に歓喜
石川県で獲れるオスのズワイガニは「加能(かのう)ガニ」としてブランド化されている。漁の解禁で県内各港には新鮮なカニが一気に水揚げ。活気に包まれる中、青色のタグがついたカニを見つければ、それこそが正真正銘、品質折り紙つきの「加能ガニ」だ。
メスの「香箱ガニ」は郷土の味
石川県内のカニ漁は金沢、輪島、加賀市橋立各港から石川県沖へ出港し、底曳網で漁獲。生きのいいカニは熟練の漁師の目利きで選別され、その目にかなった高品質のカニにだけ青色のタグがつけられる。タグには輪島や蛸島、富来、橋立、金沢など水揚げ港の名前が記されている。
加能ガニは殻が柔らかく、身はぎっしり、ふっくら。しっかりとした歯ごたえと芳醇な香り、独特な甘みはカニファンをとりこにし、豊富なカニ味噌がさらなる喜びをもたらしてくれる。
宿では3月中-下旬の漁期終了まで、カニの天ぷらやカニすき、ゆでガニ、焼きガニとフルコースを提供。カニ目当てのファンが例年こぞって駆けつける。
また、「香箱(こうばこ)ガニ」と呼ばれるメスのズワイガニにも目を向けたい。オスより小さめで価格も比較的手ごろとあって、地元では家庭でも愛される味。なかでもぎっしりと詰まった「内子」は郷土の味としてファンも多い。漁期は子孫繁栄のため加能ガニより短く1月中旬まで。
水揚げ地のひとつ、輪島市では例年「輪島かにまつり」を開催。輪島港で水揚げ、浜ゆでされたカニを販売するほか、カニ汁やカニ飯も並ぶカニづくしの1日となる。今年は11月15日に開かれた。
能登輪島温泉のホテル高州園でも例年、ズワイガニプランを設定。姿盛りから刺身、グラタン、釜飯までカニ尽くしのプランで冬のぜいたくを提供する。泊まってカニと温泉を楽しんで、輪島名物・朝市に繰り出すという旅が冬の定番だ。
(15/11/19)
情報提供:トラベルニュース社