ジャルパック、「ストレスフリー」で沖縄強化、需要取込に注力
高付加価値で「JALパックならでは」をアピール
利用者の満足度向上めざしサポートを強化
さらに、ジャルパックによると利用者のサポート強化として、関連会社のJAL JTAセールスが10月1日、那覇空港に「JAL JATツアーカウンター」を開設した。JAL JTAセールスは沖縄県内で、沖縄発のJALグループ便の航空座席の販売や国内旅行商品などの企画・販売、空港売店の運営などの業務をおこなっている。同ツアーカウンターでは、観光施設への入場やプレゼントの引き換えに利用できるクーポンを配布。以前は同様のサービスをレンタカー店で実施していたが、今回の開設によりレンタカーを利用しない人への対応も可能となった。なお、ジャルパックによると今後はJAL JTAセールスと連携し、ツアーカウンターでオプショナルツアーを販売することも検討しているという。
そのほか、現在はツアーで利用する宿泊施設でも「ジャルパックならでは」のサービスを展開し、利用者の満足度の向上に努めている。例えば、ヴィラやコテージ、オーシャンビューなどの部屋のタイプを指定して宿泊できるサービス「部屋番号指定プラン」を提供。利用者が部屋を自由に選択することで、部屋の内装や外に見える景色などが実際のイメージと異ならないようにする。また、追加料金なしで、混雑する朝食時にホテル内のレストランを優先的に利用できるよう、席を予約するサービス「朝食座席優先予約プラン」も設けている。
「戦跡」ではなく観光地としての南部の可能性
沖縄本島は、中部から北部にかけてリゾートや観光スポットが多数あり、レジャーでの人気が高い。一方、南部には「ひめゆりの塔」をはじめとする戦跡があり、レジャーよりも修学旅行などの教育旅行で訪れる場合が多い。しかし、ジャルパックでは南部も中部や北部と同じく旅先の選択肢の1つとして視野に入れており、実際に「うたばす」の周遊コースにも組み込んでいる。
同社国内仕入部沖縄仕入センターマネージャーの萩原里美氏は「沖縄といえば、中部や北部のリゾート地に目がいきがちだが、南部には『知る人ぞ知る大人の隠れ家』的な魅力がある」と南部のレジャーとしての可能性を指摘した。同氏によると、南部には「琉球温泉 瀬長島ホテル」など中心地の繁華街から少し外れた場所に立つリゾートホテルがあるほか、BBQ用のテーブルなどが用意されている「美らSUNビーチ」もあり、南部や北部と同じようにリゾート気分を味わえるという。
また、南部は那覇空港からのアクセスが良いほか、民間機や軍用機など多くの飛行機が飛び交うことから、航空機ファンに密かな人気がある。周辺には地元の人々が買い物に来る大型スーパー「ファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場」や、今年7月に瀬長島西海岸に隣接する傾斜地に開業したショッピングスポット「瀬長島ウミカジテラス」、「沖縄アウトレットモール・あしびなー」などショッピングを楽しめる施設も充実している。同社では今後、宿泊施設など南部の取扱商品数の増加も検討しているとした。
取材:本誌 大野舞