成田中間は増収増益、通期も上方修正-次期中計は5テーマ設定
▽通期予想を上方修正、次期中計は空港の処理能力向上など目標に
通期連結業績予想については、5月15日に発表した前回の予想から、すべて上方修正する。営業収益はリテール事業が想定以上の伸びを示していることから、前回予想比で66億円増の2172億円、営業利益は42億円増の404億円、経常利益は49億円増の356億円。当期純利益は29億円増の231億円で、初の200億円超えを予想する。営業収益、経常利益、当期純利益はいずれも民営化後では最高で、営業利益は過去第3位となる水準だという。
航空取扱量についても予想を変更した。総航空機発着回数は、前回予想から0.1%増の23万5000回で、4期連続で過去最高に。国際線は0.5%増の18万3000回で8期ぶりの過去最高を予想。国内線は春秋航空日本(LJ)の減便の影響で1.5%減の5万2000回となるも、14期連続の過去最高更新を予想する。航空旅客総数は2.7%増の3692万人で、国際線は訪日外国人が堅調に推移する見込みから3.1%増の2930万人、国内線はLCCの好調を受けて0.9%増の665万人とした。
夏目氏はそのほか、2016年度以降の次期中期経営計画についても言及した。NAAでは13年度から15年度までの中期経営計画「イノベイティブNarita2015~選ばれる空港を目指して~」を実施してきたところ。次期計画については、訪日客の増加に伴う受入体制のさらなる充実の必要性や、19年までのアジアの各空港の大規模な機能拡張による競争環境の激化などを背景に、5つのテーマを設ける予定だ。
計画では国際競争力の強化のため、航空ネットワークのさらなる拡充をはかる。さらに、ピーク時間帯における発着枠確保などの航空会社の要望に応えるため、航空機の高速離脱誘導路の整備により、滑走路の処理容量の拡大をめざす。利用者に対しては、空港ターミナルビルでの混雑解消や処理能力の向上をはかり、自動チェックイン機導入の推進や、航空会社のチェックインカウンターの共同使用などに取り組む考え。そのほかリテール事業の強化や、2020年の東京オリンピックに向けた取り組みもおこなう。計画の期間は現時点では未定としており、来年の3月末に発表する予定だ。