成田中間は増収増益、通期も上方修正-次期中計は5テーマ設定
成田国際空港(NAA)によると、2016年3月期中間決算(2015年4月1日~9月30日)で、営業収益は前年比12.8%増の1128億円となった。営業利益は17.2%増の257億円、経常利益は23.7%増の236億円、当期純利益は34.1%増の154億円で増収増益となり、各利益は民営化以来の過去最高となった。
航空取扱量では、航空機の総発着回数、国際線および国内線の発着回数、航空旅客総数、国際線外国人旅客数、国内線旅客数で過去最高を記録した。総発着回数は1.6%増の11万8000回で、国際線は1.5%増の9万1000回、国内線は1.9%増の2万7000回。増加はアジアを中心とした国際線や国内線LCCの新規就航・増便などによるもので、総発着回数は中間期として4期連続で最高となった。
旅客総数は7.7%増の1931万人で、国際線が6.0%増の1576万人、国内線が16.0%増の355万人。国際線のうち日本人は円安の影響などで4.4%減の665万人となったが、外国人は中国を中心にアジア圏からの旅客が好調だったことで26.7%増の655万人と過去最高に。通過客は6.6%減の257万人だった。
空港運営事業は、営業収益が1.4%増の524億円、営業利益が6.3%減の46億円の減収減益だった。NAAによると、発着回数は増加したが、航空機材の小型化などによる平均着陸重量の減少などで、空港使用料収入、給油施設使用料収入が減収となった。また、営業利益については第3旅客ターミナルビルの供用による費用の増加も響いた。
リテール事業は営業収益が39.4%増の435億円、営業利益が43.6%増の135億円と増収増益。国際線の外国人旅客の増加や第3旅客ターミナルビルの供用開始、店舗の増床やリニューアルなどで子会社の物販・飲食収入、一般テナントからの構内営業料収入が増加したことが主な要因で、空港内での物販などの売上高は37.3%増の622億円となった。NAA代表取締役社長の夏目誠氏によるとリテール事業の増加により、非航空収入は全体の55%を占めるまでに拡大しており、昨年の中間期に比べて4ポイント増加した。通期でも同様の比率を見込んでいるという。
このほか、施設貸付事業は営業収益が1.4%減の154億円、営業利益は1.2%減の72億円。鉄道事業は営業収益が0.2%減の14億円、営業利益が9.7%増の3億円となった。
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