マレーシア、ペナンの教育旅行と語学研修を訴求、セミナー初開催
マレーシア政府観光局とペナン教育センター(PCET)は、このほど都内で「ペナン教育旅行・語学研修・留学セミナー」を初開催した。PCETは2013年、ペナン州政府が教育旅行や語学研修などの誘致をはかるために設立した、教育機関からなる組織。PCET会長のメアリーアン・ハリス氏は「ペナンには世界遺産に登録されたジョージタウンがあり、教室の外でもさまざまな体験を通して学べる場を提供できる」とアピールし、ペナンを「学びの場」として日本市場に訴求していきたい考えを示した。
セミナーでは、マレーシア政府観光局マーケティングマネージャーの徳永誠氏が登壇し、マレーシアでは言語や宗教の異なる多民族が共生しているため、学生は言語だけでなく多様な文化に触れる機会がある点を強調。今年末に「ASEAN経済共同体」が発足することにも触れ、「多様性に満ちたアジアを理解し、アジアで戦っていけるグローバル人材の育成が必要である」と説いた。
同氏によると、ペナンはビーチリゾートとして有名だが、日本から電子・電気関連企業など数多くの企業が進出しているほか、ジョージタウンや中国とマレー文化が交じり合ったプラナカン文化、海や高原などの自然といったさまざまな素材がある。徳永氏は、「教育旅行などはクアラルンプールが中心だが、ペナンは今後伸びしろのある地域」と語り、語学研修やインターンシップ、フィールドワークなどさまざまな需要に対応できるとアピールした。
同観光局とPCETではエアアジアX(D7)の協力のもと、来年春にペナンで学生を対象としたモニター研修「ペナン春季学校」の実施を計画。10月にD7が新千歳/クアラルンプール線を開設したことを受けて北海道から4名、東京からも12名招待する。11時上旬から募集を開始する予定だ。
また、セミナーでは来日した7つの大学が研修プログラムを説明。ペナンでは、教室内に加えて学外での体験を通して英語を学ぶプログラムを提供しており、歴史遺産の見学、スポーツ、料理教室、ボランティア、企業訪問など、多様な体験が可能だという。さらに、需要に応じてプログラムをカスタマイズできる点もアピールした。
このほか、セミナーでは早稲田大学を中心にした、「The Japan Times」公認の時事問題や英語を学ぶサークル「The Japan Times Youth Project」のメンバー4名が登壇し、今年夏におこなったマレーシア研修について報告した。研修期間は1週間で、クアラルンプール大学の授業体験や現地学生との交流会、現地企業の訪問などを実施。参加者からは、マレーシアの人々のホスピタリティを魅力として評価する声や、「英語は他国でも学べるが、人々の情熱も学ぶことができるのは、東南アジア、特に急速な経済発展を遂げている最中のマレーシアならでは」という意見が挙がった。