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日本旅行、滋賀県と観光振興などで連携協定-商品の共同開発も

  • 2015年11月10日

(左から)日本旅行代表取締役社長の丸尾氏、滋賀県知事の三日月氏  日本旅行と滋賀県は11月10日、滋賀県の観光振興をはじめとした地域の活性化と県民へのサービスの向上などをはかり、包括的連携協定を締結した。双方がそれぞれの強みを活かし、県内の観光や訪日旅行の促進、教育旅行の充実に取り組む。また、災害時の対応や産業振興などでも協力する。日本旅行が県と連携協定を締結するのは今回が初めて。期間は1年間だが、長期的な継続を見込む。

 日本旅行によると、同日滋賀県で開催した記者会見では同社代表取締役社長の丸尾和明氏が、創業110周年を契機とした取り組みで、日本旅行の創業の地である滋賀県と協定を締結したことに対する喜びを述べた。観光をキーワードにした交流人口の拡大を通じて「新たな価値を生み出していきたい」考えだ。また、滋賀県知事の三日月大造氏は、旅行業との連携協定は今回が初めてであることを説明した上で、双方で積極的な連携に努め、相乗効果を出しながら地域の活性化や県民サービスの向上に取り組んでいきたい旨を語った。

 連携協定では10の項目を設定。「観光振興」については、インバウンド拡大に向け、滋賀県の魅力を発信するための英語の専用パンフレットを日本旅行が作成。2016年2月にタイで開催される「タイ国際旅行フェア(TITF)」で配布する。また、今年6月に共同開発した旅行商品「女子旅びわ湖」の販売を継続するとともに、県と日本旅行の担当者で滋賀県の観光振興を考えるプロジェクト会議を開催し、共同での商品開発や県内の旅行の振興、誘客の拡大をはかる。

 さらに、観光関係者向けの研修会や情報会を共催。日本旅行の機関誌「赤い風船」などを活用し、協働して滋賀の魅力の発信に取り組む。また、日本旅行では「観光相談ホットライン」を設け、滋賀県内の観光関係者から、地域資源の発掘や磨き上げ、観光振興についての相談を受け付ける。

調印の様子。式には日本旅行の女子旅キャラ「たびーらちゃん」と、滋賀県のイメージキャラクター「キャッフィー」も参加した  「滋賀・びわ湖ブランドの発信」では、今年4月に日本遺産に認定された「琵琶湖とその水辺景観~祈りと暮らしの水遺産~」をはじめとした同ブランドを、日本旅行の店舗やウェブサイトなどで配信。日本旅行の店舗では同ブランドをピーアールする動画「MUSUBU SHIGA」を放映する。

 「青少年の健全育成および社会教育の推進」では、琵琶湖博物館や安土城考古博物館が提供する体験学習などを活用した新たな教育旅行の素材を共同で開発し、県外からの教育旅行の受入拡大をはかる。また、滋賀県が早稲田大学の生涯学習機関で提供している講座と連動した旅行商品を共同開発し、受講者向けに提供する。このほか、日本旅行は琵琶湖で学習船「うみのこ」を活用した体験学習の告知活動にも取り組む。

 「地産地消の推進および滋賀の食材のピーアール」では、近江米や近江牛の消費促進や、農・食・観光を楽しむ体験型の旅行商品の拡大などを実施。「文化振興」では、滋賀の文化情報の発信に加えて、「アール・ブリュット」と呼ばれる専門的な教育を受けていない芸術家の日本旅行の提携施設における作品展示について協力する。「産業振興」では「びわ湖環境ビジネスメッセ」の周知や、研修・視察での団体来場者増に向け、2者が連携して取り組む。

 このほか、「環境保全」では環境美化のボランティア活動への参加などを実施。「災害対策や地域や暮らしの安全、安心の確保」に向けた協力として、旅館をはじめとする日本旅行協定施設で帰宅困難者への支援などをおこなう。さらに、日本旅行グループの店舗などに滋賀県のパンフレットやポスターなどを置くほか、日本旅行TiS大阪支店の店舗スペースを、滋賀県のピーアールイベント会場として提供する。