羽田米国線、DLとUAがハワイアンの「バックアップ権」要求に反論
デルタ航空(DL)とユナイテッド航空(UA)はこのほど、ハワイアン航空(HA)が米国運輸省(DOT)に提出した、米国航空会社が保持するすべての羽田/米国線の発着枠でHAを「バックアップキャリア」に選定することを求める要請に対して、DOTに反論の文書を提出した。
羽田/米国線では、米国側が保持する1日4便の深夜早朝枠のうち、DLがシアトル線とロサンゼルス線、UAがサンフランシスコ線、HAがホノルル線を運航していた。しかし、DLが路線維持の条件の厳しさを理由に、シアトル線の運航枠を今年9月末にDOTに返上。10月以降は60日以内の運航開始を条件に同発着枠をAAへ配分することが決定していたものの、AAが未だに就航を予定している羽田/ロサンゼルス線の運航スケジュールを申請していないことなどから、DLが10月初旬に発着枠の没収を要請していた。
それに対してAAは、「あらゆる手を尽くしているものの、採算のあう時間帯の発着枠が国土交通省航空局(JCAB)から取得できない」とし、運航開始日の延期を要望。これに対してHAは、AAの就航延期を「反対はしない」ものの、AAが採算のあう時間帯の発着枠を獲得後、60日以内に運航を開始するなどの条件の付与をDOTに要求したほか、米国航空会社が保持しているすべての羽田発着枠において、発着枠を保持する航空会社が何らかの理由で運航できなくなった場合に備え、HAを「バックアップキャリア」として選定することを求めていた。
今回の文書でDLは、あらかじめバックアップキャリアを決めておくことで「すぐに運航を開始できる」「行政に対しての負担が少ない」としたHAの主張について反論。DLは、同社が9月末まで運航していたシアトル線のバックアップキャリアであるAAが、現在も予定していた開始時期に就航する見込みがないことを強調し、「バックアップキャリアを選定したからといって、すぐに運航が開始できるわけではない」とした。
UAは、HAの要求は「AAの羽田/ロサンゼルス線に関するやりとりの範囲を超えており前代未聞」と主張。また、HAがUAのサンフランシスコ線は当初の申請に比べ、機材の縮小によりサービスのレベルが下がっている旨を主張していることについては、UAが運航開始前の申請書で最初はボーイングB777型機を使用し、将来的にはB787型機に変更する点を明記していたことを説明し、DOTもそのことを認知していたと反論した。