観光庁、太平洋島嶼国と初の大臣会合、連携強化に向け始動
観光庁と外務省は10月18日、初めての試みとなる「太平洋島嶼国観光大臣会合」を都内で共同開催した。来日した太平洋の島嶼国13ヶ国の観光大臣と、観光資源となる自然環境の保全や、災害対策などに関してノウハウの共有をはかることなどが目的で、各国は観光振興のための協力を一層強化することで合意した。日本を含む各国は、今年5月に開催された第7回の「太平洋・島サミット(PALM7)」の際に採択した首脳宣言により、今回の会合の開催を決定していた。
日本以外の参加国はクック諸島、キリバス、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオ、トンガ、ツバル、ニウエ、サモア独立国、ナウル、フィジー、バヌアツ、パプアニューギニア。加えて太平洋諸国で組織する太平洋観光機関(SPTO)も参加した。観光庁によれば、2013年にこれらの13ヶ国を訪れた日本人旅行者の数は5万人強。一方、13ヶ国から14年に日本を訪れた旅行者の数は3000人に程度にとどまっている。
会合では、午前中に観光庁によるセッションを実施した。同庁によれば、観光庁長官の田村明比古氏が冒頭で挨拶し、今回の初会合が首脳宣言を受けて開催された重要な会合であること、参加した島嶼国が多方面にわたり日本とのつながりが深いこと、日本と同様に自然災害の影響を受けやすいことなどについて言及。14ヶ国が協力して、観光振興に向けた対応を強化する必要性について述べたという。
その後は観光庁、SPTO、サモア独立国、キリバスが代表して、各国の観光政策などに関するプレゼンテーションを実施。日本旅行業協会(JATA)も、日本から太平洋の島嶼国への送客の取り組みについて、現況を説明した。
午後の外務省によるセッションでは、大臣政務官の山田美樹氏が挨拶したほか、同省の担当者が太平洋の島嶼国における観光業の重要性や、日本から島嶼国への観光の促進に関する取り組みについて説明。その後は各大臣による意見交換をおこない、13ヶ国は日本に対して、観光産業に関するインフラの整備や人材の育成、直行便の開設などに関して要望したという。終了後のレセプションでは、このほど国土交通副大臣に就任した山本順三氏、大臣政務官に就任した津島淳氏の両氏が出席した。
なお、今回の初会合では宣言の採択や数値目標の設定などはおこなわなかった。次回会合の開催については現時点では決定しておらず、これから検討を進めるという。