15年上期の旅行業倒産は2件減の16件、負債総額は7割減
東京商工リサーチ(TSR)によると、2015年上期(4月~9月)の旅行業の倒産件数は16件で、前年比で2件減(11.1%減)となった。負債総額は69.2%減の11億4400万円と大幅に減少。東日本大震災関連倒産は2件だった。TSRでは、国内の景気が回復し国内旅行を中心とした旅行者数が増加したことなどが、倒産件数の減少につながったとの見方を示している。負債総額についても、小規模な企業の倒産が多かったことで、1社あたりの平均額が昨年の2億600万円に比べ7150万円と大きく減少した。
上期では16件全ての倒産形態が「破産」だった。負債総額が大きかったのは、宮崎県のエーエスシーの1億5000万円、愛知県のユニオン航空サービスの1億3000万円など。TSRでは、小規模業者で業績回復のできなかった企業が、事業再生の見通しが立たずに倒産に至ったとの考えだ。
9月単月の倒産件数は、前年同期から1件減少し3件となった。負債総額は14.6%減の3億8500万円で、関西の地元密着型の小規模な旅行会社が中心だったという。東日本大震災関連の倒産は0件だった。
なお、15年上期の宿泊業の倒産件数は4.7%増の44件。負債総額は25.0%減の175億8500万円だった。(下記関連記事)