アクセスランキング、1位は済州レポート、EXPO関連も多数
[総評] 今週のランキングでは、済州観光公社とエアプサン(BX)が共催したFAMツアーのレポートが1位になりました。韓国方面は総じて苦戦が続いているはずですが、そのような中でこのように注目が集まったのは喜ばしいことです。
済州島の苦戦がどの程度かというと、2009年から2012年までは年間18万人前後であった日本人訪問者数が2014年には9万6519人とほぼ半減しているそうです。2012年は過去最高の出国者数を記録した年であり、その後の市場動向も周知の通りで、済州の数字からは近距離アジアの需要減と現在のアウトバウンド全体の低迷との相関性が見て取れます。
逆にいえば、近距離アジアの需要の回復によってアウトバウンド市場が復調する可能性も十分にあります。
政治的な対立に起因するムードの悪化は旅行業界のみでどうにかできるものでもないでしょうけれども、そうはいっても済州島のみでも往時の半分程度の需要は依然としてあり、そして韓国からの訪日客数は大幅に伸びているわけで、両国民すべてがネガティブな感情を抱いているわけではないということをポジティブかつ現実的に捉えるべきでしょう。
また、旅行業界として、こうした環境下でも済州観光公社が名古屋や福岡に事務所を残し続けているということのありがたみを考えたいものです。ありがたいとは「有る」ことが「難い」という意味であり、本来であれば無くても不思議なものが存在することを意味します。直行便がなく需要も低迷している中での事務所存続はまさにこれに当てはまります。
期待という意味では、先週末に開催され関連する記事が今週のランキングに多く入ったツーリズムEXPOジャパンも同様で、国内外の観光局やサプライヤーが投資として出展してくれるからこそ成り立つイベントです。
フォトニュースでもお伝えした通り、今年も業界日、一般日、そして国内、海外に関係なく多くの方々が来場され活況を呈していましたが、すでに例えばフランス、イギリス、ドイツといった大御所が出展を見合わせている事実もあります。
この先、国内旅行エリアを含めて投資効果が薄いと判断する出展者が増えないとも限りません。あるいは、日本旅行業協会(JATA)が関わっている間はないかもしれませんが、業界日には出したくない、という声が表出しないとも限らないはずです。また、「あって当然」と感じがちなものほど無くなった時に困るものです。
寄せられる期待にしっかりと成果で応えることはビジネスの基本でしょうし、韓国のように売りにくい環境であったとしても、少なくともその努力をすることが持続的な関係構築とその先のお互いの成長に結びついていくと考えます。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年9月第5週、10月第1週:9月27日0時~10月2日18時)
第1位
◆済州、KE直行便運休後も日本に注力-エアプサンが名乗り(15/10/01)
第2位
◆ツアコンオブザイヤー、グランプリはジャッツの比企氏(15/09/27)
第3位
◆丸の内の夜にねぶた登場、歌舞伎口上も-JAPAN NIGHT開催(15/09/27)
第4位
◆アマゾナス航空、ウユニ線大幅増で日本市場に接近-副社長が来日(15/10/01)
第5位
◆ツアーグランプリ、大臣賞は温泉ヘルパー手配ツアー、国内商品が初受賞(15/09/29)
第6位
◆ルフトハンザ、冬ダイヤで減便-成田は週3便、関空・中部は週5便に(15/09/30)
第7位
◆フォトニュース:写真で振り返るツーリズムEXPO、17.3万人が来場(15/09/29)
第8位
◆ジャパン・ツーリズム・アワード、大賞は瀬戸内-UNWTO部門賞はJTB(15/09/27)
第9位
◆JTB、新ブランド「JTBスポーツ」設立、事業を統一(15/10/01)
第10位
◆マカオ航空、11月から成田線をデイリーに、機材も大型化(15/09/29)