Marriott Bonvoy

JSTO、訪日客の農産物土産の検疫で実証実験-円滑化めざす

  • 2015年9月30日

 ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)はこのほど、訪日外国人旅行者がお土産として持ち帰る農産物の国内での植物検疫の円滑化に向け、北海道のメロンなどを対象に、2種類の販売モデルの実証実験を本格的に開始した。農林水産省から受託している「おみやげ農産物植物検疫受検円滑化支援事業」として実施するもの。

 同事業は、消費税免税制度の改正で食品が免税対象に加わったことに伴い、農水省がおこなっているもの。JSTOによると、土産用の農産物の販売は必要となる植物検疫の手続きがわかりにくく、訪日外国人旅行者にとって手間がかかるなどの問題があるという。今回の取り組みを通し、植物検疫上の課題の解決や、販売業者が取り組みやすい植物検疫の受検体制の確立をめざす。

 販売モデルのうち、1つ目は訪日外国人の自宅まで農産物を配送する、北海道国際輸送プラットフォームの「HOP1サービス」を利用したもの。実験は9月30日まで実施しており、JSTO会員でHOP1の加盟販売店が、北海道でメロンを購入した訪日外国人にHOP1サービスの利用を呼びかけた。さらに、8月25日から9月30日まで植物検疫の代行手数料を無料にするなどの取り組みをおこなった。

 2つ目は、訪日外国人旅行者がツアー中に購入した果物を代行業者が預かり、植物防疫官による検査を事前に済ませ、ヤマト運輸が運営する空港内荷物預かり所で商品を手渡すもの。JSTO会員の旅行会社やランドオペレーター、植物検疫代行サービスを提供するHICインターナショナルと協力して、2016年1月末まで不定期に実験をおこなう。訪日外国人旅行者に対し、ツアー中に同サービスの利用を呼びかけており、9月までは北海道のメロンを、12月と1月は福岡県のイチゴを対象にするほか、他県の果物などでも実験をおこなうという。

 このほか、11月をめどに、インターネットでの植物検疫の事前申請により、検疫時間の短縮化をはかる実証実験もおこなう予定。JSTOでは訪日外国人旅行者にとって最適な農産物の検疫受検方法を検証していきたいとしている。