ハワイ、新体制で市場開発に意欲-「ハワイらしさ」核に
▽下期の取り込みも強化、来年の日本市場マーケティングの概要も
今年に入っても、ハワイの総訪問者数は7月に過去最高を記録するなど、前年を上回る推移を続けている。しかし日本市場は7月までの累計で前年比1.4%減の82万2621人。HTJ局次長のミツエ・ヴァーレイ氏によると、夏および下期も前年比で期待したほど予約が伸びなかったと、業界パートナーからの報告も受けているという。
要因は円安基調に加えて、ハワイ商品の値付けが他方面よりも高い印象があること。日本市場以外が好調なことから現地ホテルのADRも上がる傾向にある。日本人旅行者数がこのまま推移した場合、「今年度の目標156万人は難しい」見通し。
下期の需要取り込みに向けHTJでは、航空会社や旅行会社のキャンペーンに協力する形でのサポートを予定。また来年度にかけても、ホールセラーのサービスやポイントで還元できるようなプログラムとコラボレートしていく方針だ。
マーケティングを担当するヴァーレイ氏によると、日本市場では16年、ファミリー、ロマンスに加え、30代から50代の働く世代を重要客層とし、キャンペーンを計画。来年度も続ける妖怪ウォッチキャンペーンは、これまでの実績から「旅行者のサービス向上やパッケージ商品の広告バリューの価値提供ができた」と成果をアピールした。
また、先を見据え若年層対策も強化する。その一環として、情報配信のための「コンテンツマネジメントシステム」を構築しているところ。OTAだけでなくホールセラーでもFITが増えているなか、旅行会社のサポートをするためにもデジタルマーケティングの基盤を整備する方針だ。
なお、バルデモア氏はHTJの活動について、HTAが重視する革新的な取り組みが多いことに言及。例えば、2013年9月に誘致した人気アイドルグループ「嵐」のコンサートでは、「来場者の8割がファーストタイマーでそのほとんどが初海外旅行。ハワイの印象が強く残った」と評価する。その上で、「これまで以上のイノベーションを期待したい。新しいプロジェクトをサポートすることで、もっと斬新な企画が出てくることを約束できる」と期待を示した。