ジャパン・トラベル・ウィークの概要発表、三位一体で観光振興へ

  • 2015年9月1日

共同会見の様子  観光庁、日本政府観光局(JNTO)、日本観光振興協会(日観振)、日本旅行業協会(JATA)は9月1日、共同記者会見を開催し、9月24日から10月1日まで開催する「ジャパン・トラベル・ウィーク」の概要を発表した。「ジャパン・トラベル・ウィーク」は今年で2回目。同期間には「ツーリズムEXPOジャパン2015」や、「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2015」といった国際的観光イベントが開催される。

観光庁長官の久保成人氏  観光庁長官の久保成人氏は、国内、海外、訪日旅行をテーマに「三位一体で開催することに大いなる意義がある」と強調。「イベントを成功させ、双方向の交流拡大と、国民の皆様の旅行気運の醸成にさらなる弾みをつけていきたい」と意欲を示した。特に日本人の国内、海外旅行については、風評被害が懸念される箱根方面や、旅行者が減少している韓国などへの需要喚起が期待できるとした。また、国内外の参加者が意見交換をおこない、それぞれのブースを訪問して展示について学ぶなど、双方向の交流についても期待を示した。

JNTO理事長の松山良一氏  JNTO理事長の松山良一氏も「3つに携わるキーパーソンが一堂に介して交流する機会を設けることは、これまで以上に相乗効果が期待できる」とコメント。日観振会長の山口範雄氏は「中長期的には国内、海外、訪日の旅行を一体化し、総需要をしっかり大きくしていきたい」と話した。

日観振会長の山口範雄氏  また、JATA会長の田川博己氏は2016年のリオデジャネイロオリンピック後、東京オリンピックまでの4年間は日本が世界から特に注目を集めるとした上で、16年はツーリズムEXPOジャパン2015にとって「ジャンプの年」と説明。15年は「ステップの年として新たなプログラムに取り組み、積極的に色々チャレンジしていきたい」と語った。

JATA会長の田川博己氏  記者会見では、山口氏と田川氏がツーリズムEXPOジャパンについて詳細を説明。今年は国内は47都道府県が参加し、日本を含めると141ヶ国・地域から1145団体・企業が出展する。昨年は151ヶ国・地域から1129企業・団体が参加しており、国・地域数は減少するが、企業・団体数は増加する見込みだ。来場者数は17万人をめざす。

 今年は新たな取り組みとして、サポーター制度を設置。国内外の各地域のプロモーション施策などとツーリズムEXPOジャパンが連動することで、地域のプロモーション効果の最大化をはかることを目的としたもの。今年は「プレミアム・デスティネーション・パートナー」に青森県が、「プレミアム・デスティネーション・サポーター」に東日本旅客鉄道(JR東日本)が就いた。

青森県知事の三村申吾氏  青森県知事の三村申吾氏は「観光振興は外貨獲得のもっとも有効な手段」と語り、国内外からの観光客の誘致に力を入れたいと意欲を示した。特に16年3月に北海道新幹線の新青森/新函館北斗間が開業することを契機に、国内外の旅行者に対し、北海道道南と青森県を組み合わせた旅を提案したい考えだ。ツーリズムEXPOジャパンでは、参加者を対象に東京の丸の内エリアで開催する交流イベント「JAPAN NIGHT」において、青森の祭りとして、オリジナルのねぶたを披露するという。

JR東日本代表取締役副社長の深澤祐二氏  JR東日本代表取締役副社長の深澤祐二氏は、16年7月から9月まで実施予定の「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」をアピール。青森と協力して展開することで、東北復興につなげたいとした。

 そのほかに会見ではJNTOの松山氏が、9月25日から27日に開催する「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2015」について説明をおこなった。商談会には国内外の訪日旅行関係者約760名が参加し、3日間で約8000件の商談をおこなう予定だ。海外からは訪日旅行の重点20市場を中心に、旅行会社やメディアなど358社のバイヤーが参加。国内セラーとしては地方公共団体や宿泊施設、旅行会社など403社・団体が出展する。

 このうち、MICEマートには海外から25社のバイヤー、国内から30社のセラーが参加する。さらに、9月28日から10月1日にはファムトリップを実施。訪日旅行者向けの代表的なコースから地方を訪問するコースまで、幅広い種類を用意したという。