豪NSW州、16年は飛躍の年に、QFの羽田/シドニー線就航などで
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州政府観光局はこのほど、8月1日のカンタス航空(QF)の羽田/シドニー線の就航を機に、都内で旅行会社向けセミナーを開催した。同局日本局長の新堀治彦氏は「オーストラリアにとって追い風になるのは間違いない。2015年は訪問者数が復活し、16年は大きな増加が見込める」と期待を示した。
14年の同州への日本人訪問者は13万8500人。08年以降は14万人前後で推移しており、今回は微減となった。新堀氏によれば15年から16年にかけては、今回のQFの羽田線就航や、12月に控える全日空(NH)の同路線就航により、前年比で10%以上伸びる見通しだ。
新堀氏はプレゼンテーションで、さまざまなターゲットに対応できる同州の魅力をアピール。オペラハウスやシドニーハーバーなど観光やショッピングが楽しめるスポットを紹介したほか、世界遺産のブルーマウンテンやロードハウ島、ワインの産地であるハンターバレー、ホエールウォッチングができるポートスティーブンスなどについても説明した。
同局は今後、シドニーやその周辺のエリアについて、特にシニア層をターゲットとして滞在日数を増やしていきたい考え。歴史や文化からショッピングまで楽しめる街歩きを推奨する考えで、新たなシドニーのガイドマップも作成した。そのほか、若年層には語学留学や教育旅行も提案。今後はシドニーとその周辺のピーアールを強化していくことで、シドニーのモノデスティネーション化をはかる。
さらに、新堀氏は現在建設中の「ICCシドニーコンベンションセンター」についても言及。「開業すればオーストラリア最大のコンベンション施設となる。今後はMICEの誘致も増やしていきたい」とMICEの取込強化に意欲を示した。
同施設は会議場、展示場、劇場の3つから構成され、会議場は着席形式で最大2000名、立食形式で最大8000名の収容が可能。展示場は2フロア合わせて3万2600平方メートルの広さで、劇場には最大8000名が収容できるという。開業は16年12月を予定している。
QF日本支社長の荻野雅史氏は、羽田/シドニー線と同日に就航した成田/ブリスベン線の2路線について説明。「海外旅行者数が減ってきているなか、オーストラリアに第3のブームが来ようとしている。今回の就航で、我々のネットワークにおける日本のポジションも非常に強くなってきた」と喜びを示した。QFによると就航から約3週間の2路線の搭乗率はいずれも好調。今後の予約についても、7月31日まで運航していた成田/シドニー線を上回る勢いだという。