エアーズロックとハミルトン島が今年もセミナー、滞在日数増めざす

  • 2015年8月15日

AAT Kingsアジア地区シニアセールスマネージャー、近藤貴博氏  オーストラリア政府観光局(TA)は8月10日、都内でノーザンテリトリー政府観光局、クイーンズランド州政府観光局、現地ツアーオペレーターのAAT Kings、ハミルトン島などとともに、今年で5年目を迎える「エアーズロック&ハミルトン島セミナー」を開催した。今回は7月29日から8月10日にかけ、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の7都市で開催。日本の旅行会社に向け、改めて商品造成と送客増を呼びかけた。

 ウルル(エアーズロック)についてプレゼンテーションをおこなった、AAT Kingsアジア地区シニアセールスマネージャーの近藤貴博氏は冒頭で、8月1日のカンタス航空(QF)の羽田/シドニー線および成田/ブリスベン線、12月11日の全日空(NH)の羽田/シドニー線の開設について言及。「オーストラリアの航空市場が非常に熱い」と強調し、路線増を追い風にウルルへの送客を呼びかけた。近藤氏によると、2014年のウルルへの日本人訪問者数は前年比5%増の約1万5000人。ジェットスター航空(JQ)のシドニー/エアーズロック線のデイリー化が寄与したという。

 近藤氏はこの日、現状では1泊2日の短い滞在が多いウルル観光について、2泊3日以上の滞在を提案。日の入りと日の出の両方の時間帯で観光を楽しみ、ホテルにレストラン、ショッピングセンターなどが充実した「エアーズロック・リゾート」に宿泊することで、充実した時間を過ごせるとアピールした。なお、ウルル・カタジュタ国立公園が発表した10年から20年までの管理計画書によれば、ウルル登山は20年までに禁止する方向性が示されているという。

ハミルトン島イースタンマーケットセールスディレクター、林田第三郎氏  グレートバリアリーフの中央部で、1企業によるリゾート運営をおこなっているハミルトン島については、同島のイースタンマーケットセールスディレクターを務める林田第三郎氏がプレゼンテーションを実施。近年は毎年約1万2000人の日本人がハネムーンなどで同島を訪れているが、オーストラリア国内からは家族連れやMICEでの利用者も多いことから、日本市場に対しても幅広い目的での利用を呼びかけた。

 林田氏は、ハミルトン島観光については「ケアンズやゴールドコーストとの差別化をはかることが重要」と強調。同島がグレートバリアリーフの中央部にあり、南側と北側の両方に生息する魚や珊瑚を見ることができることなどを優位性として挙げた。また、ケアンズやブリスベンからは日帰りが難しい「ホワイトヘブンビーチ」や「ハートリーフ」なども、ハミルトン島からはアクセスしやすいことを訴求した。

 林田氏によれば、同島が滞在者に実施したアンケートでは、2泊3日の滞在者の70%、3泊4日の滞在者の50%が「時間が足りなかった」と回答。これらの結果などを受けて同氏は、セミナーの参加者に対し「店頭で販売する際はより多くの泊数を提示して欲しい」と訴えた。滞在中の費用については、移動費が宿泊料金に含まれていることなどから、全体の地上費が比較的に安く済むことをアピール。そのほか、島内にはレストランに加えてスーパーマーケットなどもあることから、予算に応じた多様な過ごし方ができると提案した。