楽天トラベル、2Q予約流通総額は過去最高-夏休み予約前倒しも
楽天は8月6日、2015年12月期第2四半期(15年4月1日~6月30日)決算を発表した。楽天トラベルの予約流通総額(取扱高※)は前年比24.8%増の1978億円となり、すべての四半期における流通総額として過去最高となった。楽天代表取締役副社長執行役員の山田善久氏は「楽天市場を中心とした国内ECが順調に推移している」と話した上で「特にトラベルが予約ベースで20%超の高い伸びを示した」と強調した。このほか、売上収益は13.9%増の94億3900万円、営業利益は21.1%増の34億9300万円だった。
同社によると、国内宿泊やレンタカー、外国語サイト経由のインバウンドの予約が好調だったことや、各自治体と協力した「ふるさと割」クーポンなどの施策が奏功した。インバウンドについては、山田氏によると規模が小さいため流通総額へのインパクトは少ないが、倍増しているという。また、同氏はインバウンド需要の増加で宿泊施設の稼働率が高まっていると指摘。それにともない、国内宿泊施設の単価が上昇しているとし「インバウンドは流通総額の増加に間接的に寄与している」と話した。
また、夏休みやシルバーウィークの需要が増加したことも好調の一因との考え。インバウンド需要の増加により、宿泊施設が予約しづらくなっていることで、全体的に早期予約が増えているといい「予約期間が長期化する傾向にある」とした。例えば夏休みの旅行では、90日以上前からの宿泊予約が約50%増加したという。
このほか、同社ではウェブサイトの利便性向上に向けた改善を適宜進めているところ。例えばクーポンについては、今まではクーポン獲得用の専門画面から獲得する必要があったが、県を指定して宿泊施設の検索をすると、検索結果画面にクーポンが表示されるようにした。予約を迷っている顧客に対するひと押しになっているという。
なお、15年12月期第1四半期(15年1月1日~3月31日)の予約流通総額(取扱高※)は、前年比20.9%増の1756億円。売上収益は7.5%増の91億8100万円、営業利益は4.5%増の34億8100万円だった。
※予約受付ベースのキャンセル前取扱高(税込)。国内・海外の宿泊施設予約、海外航空券、国内・海外のダイナミックパッケージ、楽天バスサービス、レンタカー、ペットホテルが対象