現地レポート:台湾、台中の魅力発掘で地方送客を
台中メインの商品造成へ、「台湾のウユニ」や「虹の村」
台北と高雄に次ぐ、台湾第3の都市である台中市。台湾観光局とチャイナエアライン(CI)はこのほど、この台中へのFAMツアーを共催した。特に台北へ旅行者が集中するなかで需要の地方分散が求められているが、参加した旅行会社の台湾担当者も11名の半数が台中初体験であるなど、日本市場での知名度はまだまだこれから。台中をより深く商品に取り入れていく上で知っておきたい、台中ならではの魅力と課題を紹介する。
台湾にも「ウユニ塩湖」?、極彩色の芸術村も
台中は、平均気温が22.4度と1年を通じて温暖な気候で、現地の調査では最も住みたい都市の一つともなっている。面積は約2215平方キロメートルで、東京都よりも少し大きい規模だ。
その台中で最も知られている観光スポットは日月潭だろう。ロープウェイから眺めても良し、14コースの遊歩道を歩いても良しの風光明媚な淡水湖で、2月の桜祭り、9月の遠泳大会、10月から11月の花火音楽カーニバルとイベントも豊富。また、外周33キロメートルのサイクリングも楽しめる。
日月潭以外の観光スポットとして、今回の視察で最も可能性を感じられたのは、「高美湿地」だ。「こうびしっち」と読むが、海に向かって300万平方メートルにわたるスペースが干潟のようになりごく薄く水が張っている場所で、その水に景色が映り込むことから、「台湾のウユニ塩湖」として台湾でも人気が出てきている。写真にも収めやすいので、是非立ち寄りたい。
このほか、彩虹眷村(さいこうけんそん)という公園も訪問したが、どのような場所かというと百聞は一見にしかず、右の写真をご覧いただきたい。すでに日本でもインターネット上で話題となっているが、ここはもともと中国人の居住区だった場所で再開発が始まろうとしていた頃、2008年に香港出身の当時87歳のご老人が突然家や地面に絵を書き始め、このような姿となった。
現在は公園として整備されて誰でも訪れることができ、土産物店もあってお面を被ったパフォーマーの姿も見て取れた。最近では日本のアイドルグループがプロモーションビデオも撮影したという。
なお、日月潭では、遊覧船に乗るのも一興だ。温暖とはいえ夏になれば気温も30度を超えるため、風を感じながらのクルージングは心地良い。船からは、台湾原住民のサオ族が聖地とする「ラル島」や、かつて蒋介石の別荘であった土地に建つホテル「ザ・ラルー」なども見ることが可能だ。