新生エアアジアJが事業許可申請、16年春から中部拠点に
エアアジア・ジャパンは7月21日、国土交通省航空局に航空運送事業の許可を申請した。2016年春以降、中部国際空港を拠点とし、国際線と国内線の両方に参入を予定する。拠点空港の選択にあたっては、中部地域が日本有数の人口や経済規模を誇る一方で、既存の国内LCCが中部を拠点化していないことなどを勘案した。機材については、就航当初は2機のエアバスA320型機で開始し、16年末までに4機増加して6機体制に。その後は1年あたり5機ずつ導入していくという。就航路線は確定次第発表する。
同社はすでに、16種の職種で採用活動を開始。8月1日と2日には中部地域において、中部で勤務する旅客サービススタッフの説明会を開催する。なお、現在の本社の登記地は東京都になっているが、就航までに中部地域に移す見通し。
同社代表取締役の小田切義憲氏は申請にあわせて「国内線のみならず国際線にも積極的に路線展開を進め、旺盛な訪日需要を取り込む」とコメント。エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏は「再参入は夢の実現に向けての大きな一歩。日本市場は近年の訪日需要だけでなく、グループのネットワークを拡大する意味でも戦略的に重要」と述べている。
中部国際空港代表取締役社長の友添雅直氏は、同社が中部を拠点とすることについて謝意を表明。訪日旅行の需要創出については「昇龍道エリアへの誘客にさらに弾みがつく」と期待し、「地域一丸となって利用促進に努める」とした。
同グループは14年7月に、新たな「エアアジア・ジャパン」を設立。11年に全日空(NH)との共同出資で設立した旧エアアジア・ジャパン(現バニラエア、JW)については、12年8月の運航開始から1年足らずで提携を解消し、10月にはエアアジアブランドでの運航を取りやめた経緯がある。
新たなエアアジア・ジャパンの資本金は70億円で、同グループのほか、オクターヴ・ジャパン・インフラストラクチャーファンドが19%、楽天が18%、ノエビアホールディングスが9%、アルペンが5%を出資している。代表取締役社長に就任した小田切義憲氏は、旧エアアジア・ジャパンの代表取締役兼CEOを務めていた。