ハワイ、日本のMICE取込強化、15年は3割増へ
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)では、日本のMICE市場に対する取り組みを強化している。このほど来日したHTAヴァイス・プレジデント、MICE・グループ担当のブライアンA.リンクス氏は本誌のインタビューに応え、MICEの予約時期について「米国本土の案件は28ヶ月前の予約だが、日本は12ヶ月など短いターム」であると説明。予約期間の短さから「日本からの案件をさらに取ることで、(最後まで)数字を伸ばしていきたい」と意欲を語った。
HTAでは2013年、今までコンベンションビューローなどにもあった旅行会社やオーガナイザー向けのMICEの窓口をHTAに一本化し、「MEET HAWAII」ブランドを立ち上げ誘客強化に努めているところ。リンクス氏は「以前はハワイはリゾートという(娯楽の)イメージが強く、『ハワイでMICE』とは言いにくい、といわれていたのが課題だった」と振り返った。こうしたなか、MEET HAWAIIアジア太平洋地区アカウントディレクターの桑田ジャネット氏は、MEET HAWAIIの取り組みを通し、ハワイならではのホスピタリティや文化の多様性、アクセスの良さなどをアピールすることで、ここ1、2年でMICEが増加してきていると説明。2014年は「ここ数年で最もいい年」になったという。
ハワイ州観光局(HTJ)によると、15年のMICE目的の日本人渡航者数の目標は前年の3割増。実数は明かさなかったが5月時点では目標の54%を達成しているといい、リンクス氏も「順調に推移している」ことから、積み増しに期待を示した。なお、ハワイ州産業経済開発観光局(DBEDT)の統計データによると、14年の日本からの訪問者数は前年比0.5%減の151万938人と減少したが、「MCI(ミーティング、コンベンション、インセンティブ)」目的での訪問者は4.9%増の7万4990人と増加している。
今後はMICEで訪れた団体へのサポートのさらなる強化を計画中。MEET HAWAIIのウェブサイトの充実もはかるといい、MICEの事例を集めたライブラリーも公開する予定だ。さらに、引き続きHTAでMICE関連の情報提供、宿泊施設やコンベンション施設などと旅行会社、オーガーナイザーとのマッチング、下見のサポートといったコンサルタントも積極的におこなっていく。
このほか、リンクス氏は成田空港への米国の事前入国審査(プレクリアランス)導入計画についても言及。実現すれば「MICEにとって非常に便利なシステムである」と語るとともに、隣島へのMICEの増加に期待を示した。