全日空、羽田/シドニー線開設、深夜早朝枠で-12月11日から
全日空(NH)は12月11日から、羽田/シドニー線を開設する。デイリーで運航する計画で、関係当局の認可が前提だ。運賃の発表と航空券の予約・販売は8月ごろ開始する予定。シドニーへの就航は、1999年の関空/ブリスベン/シドニー線の運休以来、約16年ぶり。
同路線は羽田の深夜早朝枠を利用する。2011年の日豪航空当局間協議では、羽田について深夜早朝枠の発着権で未使用のものを活用すれば、羽田/豪州線の就航は可能としていた。また、NHでは羽田夜発、朝着のスケジュールで運航することで、NHの国内線との乗り継ぎが可能となり、国内各地発の顧客の利便性が高まる点をアピール。なお、羽田の深夜早朝枠は23時から翌6時までだが、22時台、6時台については昼間時間帯枠と深夜早朝枠とで併用できる。
オーストラリア政府観光局(TA)によると、2014年の日本人訪問者数は前年比0.6%増の32万6500人。また、日本政府観光局(JNTO)によると、オーストラリアから日本への訪問者数は21.9%増の34万7339人と増加している。NHではこうした2国間流動の拡大に加え、今年1月の日豪経済連携協定(EPA)の発効により、さらなる需要の増加が期待できることから、就航を決定したという。羽田/シドニー線は8月からカンタス航空(QF)が就航する予定だが、NHでは十分な需要が見込めるとした。ロードファクターの目標は7割で、日本発に加えオーストラリア発の訪日需要の取り込みもめざす。
加えて、長らくNHのネットワークで空白地帯だったオセアニアへの就航により、国際線ネットワークの拡充もはかる。運航機材はボーイングB787-9型機で、ビジネスクラス48席、エコノミークラス167席の計215席とした。
NHの発表を受けて、TAは「羽田/シドニー線のフライトについて大変喜ばしく思う。新規路線の就航にともないTAとしてサポートしていきたい」とコメント。TAによると、NHの就航で日本/オーストラリア間の座席供給量は年間約8万座席増加。さらに8月1日に就航予定のQFの新路線を加えると年間約15万席増えるという。TA日本・韓国地区局長のアンドリュー・ライリー氏は「NHとQFの新規路線運航開始により、日本人渡航者増加の『第3の波』がオーストラリアにくる」と期待を示した。
また、シドニー空港やニュー・サウス・ウェールズ州(NSW州)もNHに対し、歓迎のコメントを発表。シドニー空港によると、今回の路線開設により3万5000人以上の日本人が新たにシドニーを訪れ、7700万豪ドルを消費する見込みだ。また、NSW州によると14年は14万人以上の日本人が同州を訪れ、3億豪ドルを消費。新路線の就航により、さらなる到着者数の増加に期待できるとした。
なお、運航スケジュールは以下の通り。
▽NH 羽田/シドニー線運航スケジュール(12月11日~)
NH879便 HND 22時10分発/SYD 09時35分着※翌日(デイリー)
NH880便 SYD 21時30分発/HND 05時05分着※翌日(デイリー)