はとバス、14年度の東京観光輸送人員は3.5%減、訪日客は23%増に

  • 2015年7月9日

 はとバスは7月8日、2014年度(14年7月1日~15年6月30日)の東京観光輸送人員数が、前年比3.5%減の88万6409人だったと発表した。日本人向けの東京観光・昼コース、夜コースと団体貸切増発便は5.6%減の80万2855人と前年割れ。一方、訪日客向けの英語コース、中国語コースの合計は23.0%増の8万3554人と好調に推移した。訪日客が8万人を超えたのは、1991年以来23年ぶり。

 日本人向けツアーは昼226コース、夜44コースの計270コース実施。昼は4.1%減の66万8240人、夜は16.2%減の12万583人が参加した。さらに、団体貸切増発便としてバス452台を運行しており、参加人数は1万4032人だった。

 ツアーの傾向としては、人気が高かった東京スカイツリー入場付きコースが落ち着いてきており、13.7%減の20万6906人と減少した。ただし、4月にコース改訂をおこない、3時間半の短時間コース「東京スカイツリー半日ライナー」を発売したところ、3ヶ月間で1万1844人が利用し、平均乗車率が96.8%と好調に推移しているという。同社によると、今まで主流だった食事付きの1日コースから、利便性の高い短時間コースへとニーズが変わってきており、今後もさらなる増加が期待できるという。このほか、3月の北陸新幹線の開業により、3月から6月は北陸方面の旅行会社からの団体貸切増発便が25%増と増加した。

 一方、訪日客向けのコースは43コース用意。英語ツアーは13コース、中国語コースは27コース、両言語に対応する共通コースは3コースだった。利用者は、英語コースは16.6%増の6万4288人、中国語コースは51.0%増の1万9266人。なお、共通コースは言語ごとに振り分け集計に組み込んだ。

 はとバスによると、訪日客の需要は年間を通して桜の時期である4月が最も高い。また、中国語コースでは「富士山五合目と山中湖温泉ツアー」が好調で、26%増の5764人が参加。箱根山の火山活動が活発化している箱根の「箱根周遊温泉露天風呂」については、立ち寄り場所の変更などを実施した上で催行しており、68.3%増の4745人が参加した。