ラトビア、好調継続に向けセミナー開催、日本通の写真家が講演
ラトビア政府観光局は6月26日、同国大使館で旅行会社向けにセミナーを開催した。同国の伝統文化などに関する情報を提供し、商品造成などにつなげるためのもの。冒頭で挨拶した同観光局日本代表の能登重好氏は、14年にラトビアを訪問した日本人観光客数が「非常に大きな伸び」を示し、前年比73.6%増の1万5606人に上ったことを報告。宿泊数も57.2%増の2万4798泊にまで伸びた旨を伝え、今後のさらなる増加に意欲を示した。
15年については、具体的な数値目標は設定していないものの、08年に日本航空(JL)のチャーター便が運航して以来「年々プロダクトが増えつつある」ことや、テレビなどでの露出が増加していることなどから「1万8000人ぐらいを期待できる」との見方を提示。最も大きな割合を占めるシニア層に加えて20代から40代までの若い女性、特に地理的・文化的に近い北欧に関心を持つ層にアピールする。フックとして期待しているのはデザイン性の高いハンディクラフトなどで、手編みの手袋などに注目が集まっているという。
能登氏によれば、日本人旅行者でラトビアのみを訪問する人はほとんどおらず、隣国のエストニアとリトアニアをあわせたバルト3国の周遊で訪れる人が4分の3を占め、残りはフィンランドなどをあわせた4ヶ国の周遊旅行者が多いという。同観光局では今後、フィンランドのほかにもポーランドやロシアなどをあわせた周遊旅行を提案して、ラトビアへの訪問者数を拡大したい考え。
日本からのアクセスについては、フィンエアー(AY)などを利用してヘルシンキで乗り換えるルートの人気が高いという。能登氏はそのほか、来年初頭に予定されているLOTポーランド航空(LO)の成田/ワルシャワ線就航にも関心を示し「週3便ではあるが、全体のパイは大きくなるのでは」と期待を示した。
ラトビアでの訪問地については、首都のリガのみを訪れる人が多いが、エストニアへの道中には古都のツェーシスが、リトアニアへの道中にはルンダーレ宮殿で知られる都市バウスカがあることから、これらをリガに次ぐデスティネーションとしてアピールしたいという。
なお、この日のセミナーでは、日本の宗教建築の撮影のために来日した、写真家で国学者のウギス・ナステビッチ氏が「ラトビアの伝統文化とライフスタイルについて」と題した講演を実施。同氏は高校生時代から独学で日本語を学習し、現在は日本語教師や翻訳・通訳士を務めるほか、天候皇后両陛下のラトビア訪問時には通訳を務めるなど日本語に堪能で、講演は全編日本語でおこなった。ナステビッチ氏は、年末年始にはラトビアで今回の撮影旅行の個展を予定している。