岩手・雫石、秋冬の観光アピール-北東北の周遊呼びかけ
岩手県の雫石町は6月17日、東京のホテルグランドパレスで「2015 旅・食・文化芸能まるごと”しずくいし” in 東京」と題した観光説明会および商談会を実施した。昨年に続く2回目の開催で、今回は秋と冬の魅力を紹介した。登壇した雫石町長の深谷政光氏は「雫石町は人口1万8000人の農業と観光が資源の町」と説明。あわせて「水、空気、風景といった自然の良さが特徴」とアピールした。
雫石町観光商工課課長の小志戸前浩政氏によると、雫石への旅行者数は東日本大震災や、2013年の豪雨災害などの影響で低迷しているところ。13年夏に町内の大型レジャー施設「けんじワールド」が閉鎖したことなどもあり、14年度の観光客数は前年比8.2%減の202万人へと減少した。
こうした状況の打破をはかるため、雫石町では町単位で積極的に宣伝をおこなっていく考え。小志戸前氏は、首都圏から新幹線で2時間半というアクセスの良さをメリットとして挙げ、首都圏からの観光客の取り込みに力を入れたいと語った。
旅行会社に対しては、秋の紅葉と温泉、冬のスキーと雪祭りを訴えていく考え。セミナーでもしずくいし観光協会誘客促進部長の田沼薫氏が、秋の観光のメインとして葛根田渓流などの紅葉の名所を紹介。冬の観光のメインには町内に3ヶ所あるスキー場を挙げ、それぞれにコースや雪質が異なり、さまざまな楽しみ方ができるとアピールした。
また、深谷氏は雫石町と盛岡や八幡平などの周辺地域を、広域的な観光圏として繋げたいと語り、北東北全体の観光促進に意欲を示した。小志戸前氏も、北東北一帯の広域的な観光の拠点として雫石町を訪れることを提案。今回のイベントにも、同町に近い盛岡市西部のつなぎ温泉観光協会などが参加した。
小志戸前氏はさらに、インバウンドについても言及。昨年は1万3000人の外国人観光客が雫石町を訪れたが、チャイナ・エアライン(CI)の花巻/台北間チャーター便の効果もあり、台湾人観光客の多さが目立つという。今後は台北だけでなく、台中での宣伝にも力を入れ、新市場の開拓をめざしていく。
また、タイでもピーアール活動を展開するほか、FAMツアーの企画もおこなう。9月には多言語対応のウェブサイトを立ち上げる予定だ。