観光庁、OTAガイドラインを公表、トラブル防止に向け前進
観光庁は6月12日、「OTAガイドライン策定検討委員会」での議論をもとに策定した「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン」を公表した。OTAの取扱規模拡大により、増加が懸念される消費者トラブルの防止をめざすもので、特に利用者が存在を認識しにくく、かつ日本の旅行業法が適用されない海外のOTAに対して、分かりやすいウェブサイト作りに必要な表示ルールなどを示した。策定に向けた検討は、2013年度の「旅行産業研究会」における指摘を受けて今年の1月から開始し、3回の会合を実施した。
ガイドラインでは、OTAや比較検索サイト、場貸しサイトなどにおいて適切な表示が求められる基本情報や問合せ先、契約条件などの各事項について、表示内容やその方法などのあり方を記載。各事業者に対して、運営サイトの種類や実情に鑑みながら、表示の適正化をはかるよう求めている。
OTAなどの基本情報については、名称や住所、代表者氏名、旅行業登録の有無について適切な表示をおこなうよう要請。問合せ先については利用者が適時に問合せができるよう、複数の手段による連絡先や、日本時間における受付可能時間、受付可能言語などの表示を求めた。日本語での受け付けが不可能な場合は、その旨を表示することも要望した。
契約条件については、トラブル防止に向け、申込み完了前の段階から契約当事者や契約形態、サービスの内容、旅行代金額と支払方法、キャンセル条件、約款などを消費者が容易に認識できるよう表示することを求めた。責任限定条項など利用者にとって不利益な条項については、他の条項よりもわかりやすい表記方法を要望した。
最終確認画面では、申込み直前の段階で内容や重要な契約条件を網羅的に確認できる画面を設けることを推奨。また、申込み操作をおこなうためのボタンに「申し込む」などと表示することで、利用者が契約の成立を容易に認識できるようにすることを求めた。また、契約締結後には、各事項を記載した電子メールを利用者に送信したり、ウェブサイト上に確認用の画面を設けるなどの措置も希望した。
観光庁はあわせて、一般消費者向けにOTAなどの旅行予約サイトを利用する際に確認すべき事項を記載した啓発チラシを作成。同庁のウェブサイトなどで周知し、今後は関係省庁や団体にも協力を求めていくとしている。