トップインタビュー:東武トップツアーズ代表取締役社長 坂巻伸昭氏
合併で2社の強みを活かしたシナジーを
インバウンド強化、タイに新拠点計画
東武トラベルとトップツアーの合併により、4月1日に新会社「東武トップツアーズ」が誕生した。同社代表取締役社長の坂巻伸昭氏によると、2013年8月にトップツアーが東武グループ入りして以来、2社の連携を強化するとともに、合併について専門委員会を立ち上げ、慎重に検討を続けてきたという。当初から合併の必要性を挙げる声は高かったが「合併が両社にとって良いものか、しっかりと自身の目で確かめたかった」と語る坂巻氏に、合併の理由や今後の戦略などを聞いた。
-合併の理由や今後期待する点を改めてお教えください
坂巻伸昭氏(以下敬称略) まず、理由として挙げられるのはエリアの違いだ。旧トップツアーは全国各地に支店があるが、旧東武トラベルは東武鉄道沿線を中心に、関東と静岡、京都、大阪、福岡、沖縄など重要拠点に支店を置いている。今回の合併で統合するのは18支店。いろいろな見方もあるだろうが、私としてはエリア的にバッティングする所が非常に少なかったと考えている。
2社の事業も重なる部分が少なかった。旧トップツアーは団体に特化しており、特にMICEやスポーツ、公務などで強い実績があった。一方旧東武トラベルは、東武鉄道沿線でのカウンター事業、沿線に密着した事業展開に加え、宗教部門や一部の教育旅行などに非常に強みを持っていた。
加えて、(東武グループ入りしてから)1年間従業員を見てきた中で、合併を非常に前向きに捉え、新しいことにチャレンジしていく従業員が多くいたことも1つのポイントだ。こうした要素を総合的に判断して、合併してもシナジーが発揮できるだろうという結論になった。
1社体制は我々の一番の強みだと思う。ホールディングス制は各部門に特化、強化する意味では良いと思うが、縦横が連携して1つ物事をおこなう中で、縦をあまり強くしてしまうと横との連携がなかなか取れなくなる。我々としては横の連携が非常に大切と考えている。
合併の効果が1+1=2であれば、別会社でやってもいい。合併できちんとした効果を出していかなければならない。近い将来として、少なくとも売上で2社合計の約20%アップ、1800億円をめざしたい。2年後にもやってみたいところだ。