ネパール、ネパール中部にて発生した大地震の影響‐続報5(現地スタッフによる状況報告)
2015年4月25日の午後、ネパール中部にて発生いたしました大地震の影響に関し、現地スタッフによる震災発生後~現在の状況について以下にご報告いたします。
■ 現地スタッフによる震災発生後の状況報告
◎ 電気と通信
4月25日に続き5月12日にも大きな地震が発生したが、もともとテント生活をしていた人が多かったので死傷者は少なかった。
4月25日の地震発生直後の3日間は停電が発生していたが、その後は計画停電となった。被害が大きかった地域に優先的に電気が供給され、一日中電気があるところもあった。
通信は数日間難しい状況が続いたが、その後、電話会社が国際電話を含めて無料化したこともあり、スムーズに連絡を取りあうことができた。フェイスブックなどで安否照会のサイトが立ち上がったこともあり、スタッフを含め全員の安全はすぐに確認できた。
電気、通信とも、国・企業の対応は早かった。
◎ 余震への恐れ
余震が続いている。また占星術者によるさらなる地震の予言(日時情報もあり)がまことしやかに何度も流れ、かなりの人々が信じている。政府は冷静な対応を呼びかけている。
※5月20日にもパタンを震源とするM4.5の余震が発生いたしました。
現在、渡航されている方は、十分にご注意ください。
◎ 新興住宅地
近年作られた新しい住宅についてはかなり被災している。
入居日に目の前で倒壊した友人もいる。おそらく手抜き工事だったのだと思われる。
◎ ホテル
既に報告した通り、
ホテル・ヤク・アンド・イエティ
マッラ・ホテル
ラディソン・ホテル
クラウンプラザ・ホテル・ソルティ
ホテル・チベット
フジ ホテル
ホテル・ホーリー・ヒマラヤ
アンデス ハウス
ザ・イン
などの日本人旅行者が数多く利用するホテルは全て問題なし。
◎ 被害が大きい地域
震源地に近いゴルカ、ランタンなどでは大きな被害があった。
また報道はされていないがチトワン地方も一部被害があったとの情報を聞いている。具体的な内容については把握していない。またまだスタッフを視察派遣することができていない。
◎ カトマンズ盆地の3つの古都
カトマンズの旧王宮は大きな被害。カトマンズの語源ともなったカスタマンダップなどは全壊した。がれきは全て撤去され、現在は避難テントが設置されている。
パタン、バクタプールの歴史的建造物についてはそれほどダメージがない。ただし住宅街では大きな被害があり、家を失った人々が多くいる。
◎ 食料品
スーパーマーケットについては、地震直後商品がほとんど倒れたため閉店されたが、現在食料品については通常通り販売されている。一時価格が高騰したが政府がコントロールしていることもあり、価格はほぼ通常通り。
◎ 燃料費
政府のコントロールのもと、ガソリン代は全く値段が変わっていない。ガソリンは現在でもインドから輸入されており、このルートは無傷。
もう一つの重要な燃料であるプロパン・ガスのシリンダーについては、カトマンズにはもともとかなり備蓄されているため問題なし。ただし一部の村に通じるルートが崩壊しているため、村には求められている。
◎ 水
井戸を利用している地域については問題なし。地震直後は水が濁ったが、今は綺麗な水が出ている。ただし、おそらく地下水脈が変わったことが原因で水が出なくなったところもある。
◎ ゴミとトイレの問題
ゴミ処理をしていた人々のほとんどが村に帰省してしまったため、ゴミ収集が行われていない。各家庭・地域などで自らゴミを集め、地面に埋めたり焼却している。
またテント地域ではトイレが少なく、そのまま外で用をすまさなければならないところもある。環境汚染が懸念されているが具体的な措置はとられていない。
この点、国や大きな機関による早急な援助が必要。
◎ ★ 被災地に必要なもの ★
* 浄水装置(テント避難村に設置できる大きなものと、家庭用の小さなもの)
* 消毒薬
* 医薬品
* 衣類(長そでが望ましい)
* タオル
* 簡易トイレ
* テント(テントもありがたいが、できれば雨季に備えて仮設住宅が望ましい)
* トタンなど屋根の素材になるもの(これも雨季に備えて)
以上、簡単ではありますがまとめさせていただきました。
被災地に必要なものについては、是非FB上での拡散をお願いいたします。
※ネパール政府が公式な被害状況を公表しております。
これによりますと、地域によって被害が大きく違うことが浮き彫りになっており、被害が大きい地域への集中的な支援が求められています。
詳細については、下記URLをご参照ください。
http://drrportal.gov.np/ (英語、ネパール語)