ニュージーランドが新キャンペーン、ロゴ刷新も-TRENZ開幕
(ロトルア発:栗本奈央子)ニュージーランド政府観光局(TNZ)は、ロトルアで5月17日から20日まで開催中の、同国最大の旅行見本市「TRENZ(トレンツ) 2015」で、7月から開始する新キャンペーン「Every day a different journey」を発表した。200万NZドルを費やし、約2年かけて全世界で展開する予定だ。
キャンペーンのコンセプトは「Everything Close」。TNZマーケティング・マネージャーのアンドリュー・フレーザー氏は本誌の取材に応え「異なる地域の多様なアクティビティ同士が近い距離にあり、さまざまなアレンジができる」ことをアピールしていく考えを示した。
例えばロトルアでは地熱地帯の体験やブッシュウォーク、ルージュなどが体験できる。さらに、車で2時間圏内にはタウポ湖があり、フィッシングやスキーが楽しめるほか、ワイトモ洞窟や映画「ホビット」などのロケ地「ホビット庄」などの多様な観光素材があるという。さらに、ニュージーランドの人々の「観光客を家族のように迎えるという(心の)距離の近さ」も訴求していくとした。専用の動画を作成し、公式サイトやフェイスブックといったソーシャルメディアなどで展開。映像は市場ごとに翻訳して利用する。
加えて、キャンペーンの開始に合わせてロゴマークを刷新。「100% PURE NEW ZEALAND」はそのままに、マオリ族のアーティストにデザインを依頼し、原生林の木材を削ったロゴ用の板を作成。印刷したものをスキャニングしてロゴとして使用するという。
同国ビジネス革新技術雇用省によると、2014年度(14年4月~15年3月)の海外からの訪問者数は前年比7%増の294万7901人。フレーザー氏は2014年度を振り返り「大変ポジティブな成長を見せた」と喜びを示した。今後はキャンペーンなどの活用により、2021年度までに外国人訪問者数380万人をめざす考えだ。
また、日本市場については14年度は14%増の8万3392人。ターゲットである60歳以上のアクティブシニア「アクティブブーマーズ」と、20歳から35歳の若者層の両方が増加したといい、引き続き2つのセグメントに力をかけていく。21年度は14年度比11%増の9万人を予想。今後は日本市場が野生動物に対する興味が高いことから、ペンギンやイルカなどの野生動物の魅力や、ニュージーランド独自のアクティビティや多様な文化をアピールしていく方針だ。
日本はオーストラリア、中国、米国、英国に次ぐ第5位の市場。同氏は日本市場について、リピーターの多さや、1週間から2週間という他国・地域よりも短い旅程で、さまざまなアクティビティに参加することなどを挙げ「日本人は成熟した旅行者であり、日本市場は引き続き我々にとって重要な市場」であると改めて強調した。
なお、トレンツにはニュージーランドのサプライヤーが約290社出展。バイヤーは24ヶ国から約320社の登録があり、日本からは旅行会社16社が参加している。