韓国、国交正常化50周年で交流600万人へ、「観光業界がリード」

  • 2015年5月24日

KTO東京支社長の康氏  韓国観光公社(KTO)東京支社長の康重石(カン・ジュンソク)氏はこのほど本誌の取材に応じ、6月に日韓国交正常化50周年を迎える今年、低迷する訪韓日本人旅行者数の回復に向け、改めて尽力する考えを示した。康氏は、2012年秋以降の2国間の緊張関係などを受け、日本人旅行者が減少を続ける一方、今年の3月以降は減少幅に縮小傾向が見られることを強調。「関係者が力を合わせれば、6月から7月頃には昨年並みに戻る」と述べ、「観光業界がリードしていきたい」と意欲を見せた。15年の交流人口については、前年の503万人を大きく上回る600万人の達成が可能との試算を示した。

 当面の取り組みとしては、6月22日に日韓国交正常化50周年を迎えた直後の27日と28日に、東京ドームシティで一般消費者向けの無料イベント「日韓フレンドシップフェスティバル2015 in Tokyo」を開催することを説明。50周年記念企画として実施するもので、延べ5万人の来場者集客に、改めて韓国の文化と観光の魅力を訴求するという。康氏は「人的交流や文化交流は政治問題に負けてはいけない」と主張し、「うまくいかない時こそ、平和産業である観光産業がリードしなくては」と意気込みを示した。

 そのほかにも今年は、日韓共同記念ポスターの制作や、昨年に続く「韓日観光交流拡大シンポジウム」の開催など、10の事業で日本側と協動を進めている旨を説明。日本旅行業協会(JATA)などと取り組んでいる地方への送客については、韓国の自治体や旅行会社、航空会社などのキャンペーンを幅広く支援し、受入態勢の拡充に務めているとアピールした。新たな取り組みとしては、バス会社との協働により、ソウルから地方への日帰りツアーの造成にも注力しているという。

 康氏は15年の2国間の交流人口の目標数として、前年比約2割増となる600万人を掲げた。今後、日韓の旅行業界に大きな影響を及ぼす新たな問題が発生しなければ、訪韓日本人旅行者数については1割増の250万人、訪日韓国人旅行者については3割増となる350万人の達成可能で、「少なくとも近い数字には到達する」という。

※インタビューの詳細は後日掲載