エア・カナダ、関空線予約好調、来年にはデイリー化めざす

  • 2015年4月27日

(左から、すべてAC)日本支社支社長付秘書の山本昌子氏、マーケティング・エージェントのヴィラ直子氏、日本支社長のワイス貴代氏、東京支店旅客営業部次長の阪井裕司氏、アジア・太平洋地区空港総支配人の橋本直樹氏  エア・カナダ(AC)は4月24日、エア・カナダ ルージュが5月2日に関空/バンクーバー線の運航を開始することを記念し、旅行業界関係者を招いてレセプションを開催した。AC日本支社長のワイス貴代氏によると、運航スケジュールを一旦変更したことでマイナスの影響が出たものの、現在は再変更して当初計画通りに就航できることとなり、現在は予約状況も元に戻り順調に推移。日本発の初便搭乗率もほぼ100%に達した。

 ACは2008年に関空/バンクーバー線を運休し関空から撤退した過去があり、またACに限らず関空の長距離路線は維持の難しさが指摘されているところ。これに対してACは、ルージュの就航に向けまずは特設サイトの開設や地下鉄の広告、FM大阪での3時間番組の放送など集中的にキャンペーンを展開して認知度の向上に着手。

 また、ACの関空/バンクーバー線の販売に携わっていた東京支店旅客営業部次長の阪井裕司氏をルージュ営業の専従者として任命し、阪井氏が持つ人脈や経験もフル活用して販売を促進。さらに、関空線の復活を切望してきたカナダ観光局(CTC)も旅行会社の集客に協力しており、CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏は「これで関西市場が生まれ変わる」と大いに期待を寄せる。

 ターゲット層は旅行会社経由のレジャー需要が中心だが、修学旅行も「どんどん入ってきている」(ワイス氏)状況で反響が高い。また、カナダを訪れる客層を考慮するとシニアが多くなる見込みだが、若年層の需要喚起も継続的に取り組んでいく。

 ACでは、こうした取り組みにより、新航空会社と新路線を市場に根付かせ、継続的に運航していくねらい。阪井氏は、「年内は最大で週5便だが、来年にはデイリー化したい」と意欲的だ。

 なお、日本人が8割という旅客シェアの想定もあり、機内での日本人向けサービスを強化。例えばACの東京路線では搭載していない、機内エンターテイメント機器の日本語での取扱説明文なども導入する。

 また、販売経路については、東京路線は約90%が旅行会社経由だが、関空も同程度またはそれよりも多くなると見込む。加えて、もともとルージュは“レジャー・キャリア”としてビジネスクラスを設けておらず、業務渡航需要を前提としなくても路線を維持しやすい点が強みだが、直行便とプレミアムエコノミークラスの利便性を武器に、業務渡航での利用も取り込んでいきたい考えだ。