TCSA、15年度は時間管理制度を周知、訪日向け人材育成も

  • 2015年3月22日

TCSA会長の山田隆英氏  日本添乗サービス協会(TCSA)は3月19日、2015年度の通常総会を開催し、2014年度の活動報告と2015年度の活動計画を承認した。15年度は添乗業務への時間管理制度の導入に向けた環境整備や、訪日外国人旅行者の増加などに対応した人材育成、労働者派遣制度改正への対応などに取り組む。

TSCA専務理事の三橋滋子氏  また、専門委員会の構成について見直しをおこない、既存の5つの委員会「業務改善」「研修」「能力認定」「厚生」「広報」を、「コンプライアンス推進」「人材育成」「広報イベント」の3つに再編。コンプライアンス推進委員会により、時間管理制度の周知と徹底を推進する。この日の総会では任期満了に伴う役員改選も実施し、会長に元海上保安官長官の山田隆英氏を、専務理事にTEI会長の三橋滋子氏を、それぞれ再任した。

 終了後に開催した記者会見で山田氏は、昨年に最高裁判所が阪急トラベルサポートに対して、添乗員のみなし労働を認めない判決を下したことについて言及。大手旅行会社を中心に、労働時間の取り扱いに関する見直しが進みつつあることを説明するとともに、今後は派遣先である旅行会社に対して「管理の徹底に理解と協力を求める」とした。また、実態調査や、会員企業に対する指導などについても注力する考えを示した。

 三橋氏は、3月13日に政府が労働者派遣法改正案を閣議決定したことについて述べ、9月の施行を見据えてTCSAとしての対応を進めたい旨を説明した。訪日外国人旅行者の増加などに対応した人材育成については、「4割ぐらいの会員が訪日旅行を扱っている」と現況を説明した上で、今後はイスラム教に関する勉強会などを開催する意向を明示。若手人材の獲得については、昨年のツーリズムEXPOジャパンで開催した「ツアーコンダクター職業フェア」などを継続して、観光業界に関心を持つ学生に業務の魅力を訴求するとした。

 そのほか、添乗員の意欲の向上に資する事業として、今年もツーリズムEXPOジャパンで「ツアー・コンダクター・オブ・ザ・イヤー」の授賞式を実施。TCSA会長表彰、運輸局長表彰、大臣表彰などの各種表彰制度の周知も継続するという。