インドネシア、19年までに訪問者数2000万人目標、5ヶ年計画で
インドネシア共和国大使館と日本アセアンセンターはこのほど、メディア向けセミナー「インドネシア:2015ハイライト」を開催した。プレゼンテーションをおこなったインドネシア共和国大使館参事官のリッキー・スヘンダール氏は、昨年にインドネシアの新大統領にジョコ・ウィドド氏、副大統領にユスフ・カッラ氏が就任したことを述べ、「新内閣では観光分野を優先分野にしており、2019年までにインドネシアへの旅行者数2000万人を目標にしている」と意欲を示した。
インドネシア共和国観光省日本事務所によると、2014年のインドネシアへの外国人訪問者数は過去最高の943万人。スヘンダール氏は、2019年の2000万人を見据え、2015年は1200万人をめざすと話した。
また、同氏はイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)の影響についても言及。「ISILなどによるテロは世界の脅威となっている」と述べ、インドネシアを含めたイスラム圏への渡航が減少しているとことを指摘するとともに、「(インドネシアは)観光、ビジネス、社会文化活動の場として安全であり、危険な地域という意見は誤解」と訴えた。また、インドネシア国内では過激な思想を持つとされるインドネシア国民の帰国者に対する監視をおこなうなど、過激派の活動への対策を実施していると説明した。
この日は、同国観光省日本事務所チーフマーケティングオフィサーの高橋直美氏がプレゼンテーションを実施。同氏によると、2014年の日本人訪問者数は前年比1.54%増の48万6687人。ガルーダ・インドネシア航空(GA)の羽田線が就航したことや、年末年始のチャーター便により座席供給量が増えたことが寄与したとの考えだ。2015年の日本人訪問者数は、GAが1月から減便を実施していることや、政治情勢などにより変更する可能性はあるが、昨年12月時点で56万人を目標に設定している。
同国観光省では、年間訪問者数2000万人の達成に向け「5ヶ年計画」を設定。具体的には、マリンツーリズムとエコツーリズム、アドベンチャーツーリズムをコンセプトにした「nature」、世界遺産とグルメ&ショッピング、ヴィレッジツーリズムの「culture」、MICEとスポーツツーリズム、統合型リゾートの「man-made」の3つをテーマに、プロモーションを実施する。詳細については検討中だが、SNSや広告媒体などによるプロモーションをおこなう予定という。
また、「GREAT」と題してデスティネーション開発の取り組みもおこなう。バリやジャカルタ、バタムなどの10地域を対象に、インフラの整備やサービス面の改善などを実施する。さらに、個人旅行者が情報を手に入れやすいよう、SNSなどを使用したマーケティング「Eツーリズム」も計画しているという。
旅行会社に対しては、セールスミッションやツアー造成に対してサポートをおこない、さらなる関係強化をはかるとした。