日本旅行、14年販売高は5%増見込む-15年は訪日、JR活用、仕入強化
日本旅行協定旅館ホテル連盟の第53回通常総会が、2月18日に開催された。来賓として登壇した日本旅行代表取締役社長の丸尾和明氏は、2014年について「そう順風なわけではなかった」としながらも、総販売高が前年比5%増と増加する見込みを報告。現在とりまとめ中の決算についても「最終収支はほぼ計画を達成できる見込み」とした。
2014年の販売高は、海外旅行ではパッケージツアーが円安で苦戦したが、出張などの業務渡航が増加したことで2%増となった。国内旅行は5%増。団体が6%増、赤い風船が5%増、JR券などの個札販売は駆け込み需要があり2%増だった。インバウンドは45%増だった。
日本旅行では、2013年から2016年度の中期経営計画「ACTIVE 2016」に取り組んでいるところ。丸尾氏は中期経営計画で強化している教育旅行は4%増、MICEは3%増、BTMは7%増、インターネットは16%増といい、インバウンドを含め「我々が力を入れている部分は、少し伸びが小さいものもあるが、着実に伸びてきている」と喜びを示した。
2016年は国内での共通テーマとして、インバウンド、JRの利用、仕入れ強化の3点に注力していく考え。インバウンドについては、現在も団体・個人ともに増加をはかり、東南アジアへの駐在員の派遣など、さまざまな取り組みを進めているところ。今後はさらに現地の旅行会社との連携を強化していく。丸尾氏は「現在はインバウンドは売り上げの5%程度にとどまっているが、もっと広げ、国内、海外旅行に並ぶまでにやっていきたい」と語った。
JRについては、北陸新幹線の開業や山陽新幹線40周年を大きなチャンスととらえ、商品化などに取り組んでいく。また、JRグループや県、地方自治体、観光業などによるDC(デスティネーション・キャンペーン)については、6月末までの福島やその後の大分、北陸などについてしっかり取り組んでいきたいと語った。仕入れの強化については、訪日外客が増加する中、赤い風船も増えることで仕入れが厳しくなるといい、仕入れチームの強化をはかるとともに、出席者に対し協力を求めた。
丸尾氏は海外旅行が円安やイスラム国の問題で落ち込みを見せているとし、「海外旅行が落ち込んだからでは決してないが、国内旅行の市場活性化、お客様を増やすことは『基本になる道筋』」と強調。中期経営計画に基づき、旅行会社、宿泊施設、旅行者がWin-Winの関係になるよう力を入れていきたいと語った。
また、日本旅行協定旅館ホテル連盟会長の小林喜平太氏は「昨年1年は厳しい1年だった」としながらも、「一番の事業目的である宿泊券の増売については、中期経営計画の効果かと思うが順調に推移している。場所によっては温度差はあるかもしれないが、旅連としてはありがたい」とコメント。今年は日本旅行が創立110周年であることから、日本旅行と協力し、新しいものを含むさまざまな事業を展開していきたいと話した。
さらに同氏は昨年の訪日外客数が1341万4000人となったことに言及。インバウンド需要が増加していく中、日本人に加え外国人に対しても「おもてなしのサービスの向上をはかり、お客様をお呼びしなければならない」と参加者に呼びかけた。
▽訂正案内(2015年2月20日10時06分)日本旅行からの訂正により、タイトルと第1段落の一部箇所を修正しております。